「それで?何をすればいいんデス?」
 
 
金剛アスカが召喚者にして依頼主である「板」に尋ねた。ゼーレなる組織の代表なのか、そうなるべく闘争中なのか、穏当に総意を汲んでいるわけでもなさそうだったが、詳しい内情までは知らないし、興味もなかった。自分の望みを叶えるだけの力をもち、そもそもそれを察知できるほどに聡い、というだけで十分。なんらかの戒めを楔を解き放ち、静止しながら暴走している「渦」とでもいうのか、・・・彼が守護してくれていなければ自分もこの魂ごといいように吸い込まれてるんだろうな・・・接触どころか、対話も最小限にしなければならない・・・己の属する族類をまるごと詰め込まんとする、目もくらむばかりにでかく、底がない、「心中棺桶」。幸いなことに、自分たちの世界にはこんなものはなかった。ゼールにもいろいろ腹立つ点もあるけれど、ここまで滅病的ではない。
 
 
こんなもんが、この世界の中心だというのだから。
さっさと用件をすませて、立ち去るに限る。望みを叶えて。
 
 
イザリヤの星社なる、スケールが完全に狂った空間に連れてこられた。
 
 
上天に地下の暗闇、狭間を分かつは七七七の大鳥居、華表を越えて足下に広がる星海、その中に漂う二騎八体、計十を数えるエヴァ。
 
 
双角隈取りのエヴァ。ものすごく足は速そうだ。空は飛べそうにないけど。
 
 
四本足、ケンタウルス型のエヴァ・・・アレゴリカ・・・いや、こっちではどういう名称か知らないケド「悪魔の背骨」「天使の背骨」タイプに似た超超長銃を装備しているもの
 
 
全身に魔方陣が刻印されまくったエヴァ・・・胸部中央に巨大な目玉が埋まっている・・・どういう仕掛けか、視ただけでその目玉の名が分かった。「サルデス」
 
 
アンビリカルケーブルが何百本も全身に巻き付いて正直エヴァなのかよく分からないケド
魔方陣エヴァと同質の目玉が輝いているあたり、ただの巨大ロボではありえない・・・
これまた目玉の名が知れる「FDF」
 
 
大樹と百花を抱きながら咲きながら散り枯れる、それを繰りかえす百花繚乱落葉帰根エヴァ。これもまた中央部に目玉があり、名は「ティアティラ」
 
 
光背(仏像のバックについてる飾りだ)を、なんかやたらに背負ったエヴァ。そのせいか造形も仏像っぽい。やたらに背負っている辺り、悟りとはなんだろうとは思う。目つきも怖い。武装は金剛杵で決まり。目玉のその名も「羅王出岐谷」・・・・相撲取りのしこ名みたいだが。むろん、眼力というか霊異はハンパない。鬼も秒で泣いて逃げ出すわ。
 
 
異形。これもまたエヴァとは呼びがたいが・・・エヴァなんだろうな・・・・なんせ半身が「怪獣」なのだ。頭頂正中線より真っ二つにされて、パーツが足りないから無理矢理生命力高めの怪獣ボディをくっつけたような・・・でも、こんなの、強いに決まってる!
「エゴヴァジラ」とでもいうか、「ゴエジラヴァ」とでもいうのか。目玉はない。
 
 
最後、それを最後にしたのは、異質を感じたから。それは、最後にした方がいい、というカンだった。手強いというのもまた異なる、黒い巨人。アルマロス。こちらにも出現することがあるのか、と思ったけれど、少し違う。不気味な光を放つ目玉が刻印された十の盾を鎧ったそれは佇まいが自分が知っているアルマロスと違う。戦闘用ではない・・・まるで審判のような・・・儀式の外にあって調整を行う機構・・・一線の外にある審神者
 
 
あくまで自分の印象だ。違っていてもどうということはないけれど。おそらく。正しい。
 
 
二騎は自分と彼の愛機であるが、八体のそれはどれも同じ姿ではなく、改めて呼称を問うのも面倒であるから、エヴァ、ということにしたが。
 
 
どうでもいい。          ただ・・・
 
 
二騎の大きさが、手のひらサイズの人形から、ほぼ人間サイズ、搭乗可能な通常の機体サイズ、そこから10倍も100倍も巨大になっていく・・・・そして縮小されてまた・・そんなことが繰り返されるのはさすがにどうでもよくはない。己の目、空間把握がおかしくなっているのではない、彼の夜雲色の目も、それが正しい、と告げているからには、この空間ではスケールが一定しないのだろう。メンテのことなど一切考えてない感じだが
 
 
「そこに見える八体・・・儀式の地にてエヴァ零号機・・・残り一体はどれでもいいが、光十字架に拘束して魂を捧焼・・・10体を殲滅せよ・・・順は問わぬが、アルマロスの眼盾は全て閉じさせて始末するよう・・・・」
 
 
「ふーん・・・・」
順は問わぬ、と言ったくせに。アルマロスに対する説明もないのか。まあ、分かるけど。
 
要は儀式の進行度メーター。もしくはゲートキーパーだろう。知ってる前提はどうなの?
正解だったわけだけど。さすがワタシ。しかし、そんな調整役も始末とか走狗煮すぎじゃあるまいか。まあ、アルマロスに対してもなんらかの契約をしてるのかもしれない。
 
 
十の内に、自分たち二騎が入っていたら。十の魂を焼いてしまえばいいのなら。
 
 
それが、今回の任務・・・いや、個人的なアルバイトか。強制的な取引ではあるけど。
お宝をゲットにしにきたのだと割り切ってもいる。自分にとっての至宝が得られるなら。
 
当然のことだろうが、廃棄物の処理のために呼ばれたわけではないらしい。役目を終えた巨人の始末など誰でも困るに決まっているが・・・・残り一体はどれでもいい、とか?
儀式というやつは、手順と材料と分量をきっちりと守る必要があると思うのだけど。
悪意だけてんこもりだけど計画性のないバカなど恐れる必要はないが、その魂胆は。
 
本当に、どれでもいい、と思っているのなら。
 
 
「でも、そこの八体は・・・・魂が・・・搭乗者がいないじゃないの」
 
彼も同意してくれた。スケールはともかく、それくらいは肌で分かる。自分たちが乗っていないエヴァと同じ、がらんどうだ。正確には、ダミー、まがいものが入っている。
アルマロスは別として、だが。
 
 
エヴァを相手にしないなら、巨大生物駆除程度ならそれでもなんとかやれるのだろうが。
現地にて乗り込むのを待ってからやれ、ということか?まだるっこしい・・・・
 
もう少しきっちり下準備しとけバカと思う。まあ、このクラスを八体も組織の総意も得ずに揃える、という芸当はゼールにも出来まいが。ブラックカーテンの中は中で、縛りがきついはずなのに。一つとして、安めの量産機ではない。特別な、どこの馬の骨が乗ろうと、そいつを主役にしたてあげてしまう、輪転運命機。代替しようもないオンリーワン。
そんなものを八つも。世界を扼殺しきろうとしたら、それくらいはいるのかしらん。
 
 
自分たちの機体も・・・いや、自分のはそこまでではない。鍛え上げてはきたが取り替えはきく。彼の機体こそがまさにそれ。主役機の中の主役機。真打ち中の真打ち。最後の最後まで残る・・・エヴァゲンゲリオン最終号機。ウルトラスト。あの八体に並んでもやはり頭一つ抜きん出ている。自分の機体は・・・そばで寄り添ってられればいいかな。
 
 
 
「しばし待て・・・時計・・が・・・回収し注ぐ・・・」
 
 
「は?時計が?」
時を待つ、というのなら分かるが。どういう意味だ、と問いかけようとした
 
「痛っだあ!!」
ずっきん!!
 
いきなり頭痛がきた。転げ回るほどの衝撃だったが、そこは彼が受け止めてくれた。その完璧なカバーと、彼にはダメージがなさそうなことに幸福を覚える。けれども。痛いものは痛い。とんでもなく痛い。凄まじく痛い。なんだこれは!なんだこれは!!痛い!!
契約を完遂させるための薬物だの極小機械だの呪いだのを見過ごす彼ではない。
自分たちに首輪をつけようというのなら、この話はチャラにしてやるが、これは違う。
 
 
彼の守護をも透過する・・・元来、覚えるはずのない幻の激痛・・・・たまたまチャンネルが合ってしまって伝播もしくは転写されたかのような・・・理不尽な怪奇信号・・・こんなのが何度も頭の中で強制励起された日には・・・・
 
 
「時震だ・・・・成功したな・・・・・」
 
分かってるなら先に教えとけ!!と怒鳴り上げる気力もない。板だからかそもそも痛みなど感じもしないのか元より美少女だけを襲う現象だったのかゼーレは平然としている。
これを待っていたらしいが・・・・何が起きたのか確かめようと涙も蒸発する瞳をしっかと広げたら、彼の手に覆われた。
 
視るな、とその手が伝えている。視てはやばいもの、やばいことが目の前で起きている。
 
頭痛は次第に弱くなっていったが、彼の手がそのままであったから大人しく従った。
その手を振り払って真実を確認する、なんてできない。ただ、音は聞こえた。
 
赤ん坊の泣き声だ。それも、ひとりやふたりではない。何十もの。先の頭痛の反響による幻聴ではない。もちろん、痛みのあまり自分が泣いているわけでもない。
 
 
「この数・・・まさか・・・66・・・全員・・・回収してきたのか・・・・」
 
ゼーレの声はあくまで平坦で、驚きを感じさせないが、想定外の事象であったようだ。
何を回収してきたのか?まさか、この大量の赤ん坊を?まさか・・・まさかだ。
 
まさか、ではあるが、人狩りなど珍しくもない。彼が自分の目を覆い隠すほどのことでは
ない。それに、赤ん坊は・・・・実体を確認したわけではないが・・・どこに現れた?
この空間の特性ゆえか、声の大きさも一定せず、近いのかとんでもなく遠いのか、それすら分からない。
「ちょっと・・・なんなのよ!!説明してほしいデス!!というかしろ!!」
 
完全に頭痛が治まった、と同時に、彼の手も離れた。もし、この手がなく、何が起きたのか視てしまったら、それはそれでどうかなっていたのかもしれないが。知る必要はある。
離れる瞬間、刹那、彼の手にわずかながら迷いがあった。自分だけが感じるごく僅かな躊躇。相当にろくでもないことだ。それを、声で伝えてくれれば・・・どんなに、と思うが。
 
 
「それであの姿か・・・・なんとも強引な・・・・すでに人ではないのか・・・・」
「終時計部隊・・・・最後のパーツ・・・・・ウエルズの大螺子」
「碇ユイと碇ゲンドウの息子・・・昔昔昔・・・・初号機をそのまま使ったか・・・」
 
 
ゼーレはなにやら内省していたが、それでも淡々と返答してきた。
 
 
「用意した八つの器に、溢れるほどのアニムスが注がれた」
 
「アニムスってさっき泣き声聞こえた赤ん坊のコト、デスか?」
 
「そうだ」
 
「・・・これは、想定外のコトではないんデスよね?」
 
「そうだ」
 
嘘ではない。こっちも真実の神に仕える巫女というわけではないが、それは分かる。
波紋を感じる。澄み切っている。飛沫どころか泡ひとつなく。連鎖する美しい波紋。
千年も竿を垂らし続けた釣り師のごとく、待ち続けていた気配。そのくせ、竿にまんまと獲物がかかってもなんの歓喜もないのはやはり、この板はもう人をやめているのだろう。
それでいて、狂気に沈まない。実は平面ですらなく、計画の進行具合を体現する線と点、なのかもしれない。仕事自体はやりやすいが・・・とっととマッハで縁を切りたい。
 
 
「使徒どもが試す気でいるが・・・・間に合うものか・・・間に合わぬ・・・
七ツ目玉は・・・・」
 
 
いちいち単語についての解説は求めない。やるべきことが定まって契約が果たせればそれでいい。十種テン・カテゴリーの生け贄を捧げる。泣き声だけでも感じる、黄金光風の魂。昏い空を青く晴れ染める人の多様を解放する希少触媒。朝を呼ぶ祈りの熱量。人界を支える柱として製造された強度。こんなものをこれほど失ってもいいのかなと思ってしまっても、どうしようもない。やるしかない。焚きあげるのが仕事だ。
 
 
どこかの誰かが多大な犠牲を払って、天から降ろしてきたのかもしれないが、
それを無に帰す。彼の声を代償に。影絵のようなこの世界がどう終わろうと。
 
 
「邪魔者は?いるんデスよね?」
 
ただ処理するだけなら、自分たちを喚ぶまでもなくこのゼーレだけでやれるだろう。
それを成すのを妨害する、それだけの力をもつ存在がいるからこそ、異邦の傭兵を欲した。
ターゲットである零号機が相当に強いのか、それを守護する者たちがやるのか・・・・
アニムスとやらを注がれた八体が・・・エヴァとしてはごく当然のことながら、自己防衛本能に覚醒して、こちらに牙をむくのか・・・まあ、それくらいでなくては
 
「彼」さえいれば、世界全体を敵にまわしたとしても、どうということはない。
 
その思いが通じたのか、彼からも握られた手から「君は絶対に守り抜く」マグマより熱い思い原初的エナジーが注がれて・・・・
 
 
 
「はきゅんっっ!!」
腰が砕けてよろけそうになって、また彼に支えてもらう。もちろんワザとではない。
いやいや、普通の女ならこんな情念くらったら爆散するんじゃなかろうか、いやもち、そんなの許可しないケド。彼も他の女にはこんなの注いだりはしない・・よね。加賀とか。
 
「・・・・・・・・時震の影響か・・・データは機体に転送してある。搭乗後、参照するがいい」
 
単にスルーしてるのか、人の情動を無くしているせいか、人工知能的対応は助かる。自分としても彼の前以外では、金剛を名乗るだけあって、もう少し金剛的なのだ。ダイアモンドなのだ。硬度10なのだ。「そ、それもあるのかもね・・・で、でも、もう大丈夫だから。出来れば、アナタの口から説明が欲しいデス」
 
板に口もないのだが、信用も信頼もない。あるはずもない。お宝は欲しいけれど、彼の身を削ってまでも、だ。撤退ラインは想定しておかねば。最後の最後は彼が決めるだろうけど、そのための情報を可能な限り引き出すのも自分の役目。
 
「だいたい”時震”ってなんなんデスか?英語に訳すとタイムクエイクな感じデスか?」
 
まさかそのへんだけ異世界誤訳ってわけじゃあるまい。時を震わす、とかそんなコトは自分たちにもできない。それを企んだ連中を粛正したことはあるけど。時間遡行、敗北状況をポンポンリセットできる、となると、話はかなり変わってくる。さすがの彼も愛刀なしにはそれに対抗できない。想定内とか言ってたけど、それは実行者が納得してこそ、デス。
ふふ、出来る女房役ワタシ。そろそろ名残惜しいけど、彼から離れるとするか。
 
 
ゼーレには見栄もプライドもないらしい。会話的な張り合いはないけど、楽でいい。
勿体をつけることもなく、終時計部隊なる歴史修正補完実験群の存在と、そこの統括指揮を潰して群を半壊させたこと、そのタイミングで下位組織からの乗っ取りを成功させ、禁断というかほとんど成功の見込みもなかった禁忌実験を発動するよう仕向けたことを淡々と説明した。「ただの奇跡だが」それが上手くいった結果の時震、付随してのあの頭痛というわけか。時を逆飛びして、過去から”何か”持ち出した、というのなら。神も悪魔もそれをやらない。やろうともせず。それはスケールの問題なのか、人がばらばら破片的な存在であるゆえの迷いなのか。一は全、全は一の境地に至れず、違いにばかりに目がいく
おまえたちなど、そんなにちがったものではないよ。とりかえのきく、つながりものだよ。
四生の盲者は盲なることを識らず、生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、
死に死に死に死んで死の終わりに冥し
頭痛の時に、なにか声が響いた、聞いた気もする。が、認識了解など、してしまえば。
 
もう、自分の魂は。また、強く彼が手を握ってくれる。それで、己の位置を思い出す。
天上天下唯我・・・自分は彼さえ救えればいい。そっち方面の才能はノーサンキューだ。
心をつよく凝縮、圧縮する。自分は、金剛。何者にも傷つけられず壊されぬ者。
 
彼のためにだけ、砕け散る者。もしかして、今日がその日なのかもしれない。ああ。
 
人の想像するものはいつか必ず実現する、とはいうが。「棚上げされた夢」最難度最高上位にくる大宿願。赤ん坊を拾い上げてくるとか・・・・こっちの「彼」はそういう感じなのか・・・・・こっちの自分がどうなのかは、あまり興味湧かないけれど、そうなのか。
 
 
碇シンジ 彼の反存在 その時計部隊での呼び名は「昔昔昔」初号機の専属操縦者
 
私は金剛アスカ。天逆の彼が拾い上げてきたマルドゥックチルドレンを再殺する者。
 
そして、その連なる死をもって、この世界の守護役・エヴァ十号機を埋葬する。
 
 
この時点でゼーレが人として認識しているのはソドラをもつ十号機のニェ・ナザレのみ。
ほかの者は粘土細工の有象無象、言葉を持とうが語りあう気など微塵もない、駒どころか計画線上のデータでしかなかった。己の邪魔に入った同族、調律調整官も通過点。
残りの同族たちが珍しく己らの実験の手を止めて、こちらの制止に取りかかったが遅い。
こちらの計画完了の方が早い。初動自体は下位組織、ネルフの碇ゲンドウあたりの方が早いが、権能が足りない。あれだけ己の領地をグチャグチャにされて瀕死にまでなってこの追手であるから評価はするが、結局は遅い。
 
 
ニェ・ナザレがこちらの予測より早く、守護役から破壊者に転じてしまうことだけを恐れた。ゴドムがあれば相殺もできたが、それが半裂きになって使徒使いの手に渡るなど。
ソドラの全能を解放して、地球まるごと焦土炭化などされた日には。
 
 
イザリヤの星社。質量保存を無視してスケールを自在に操作可能なゼーレの秘密天領。
大ボスが巨大戦艦に乗るなど不経済にもほどがある、などとはわざわざ言わなかったが、
確かにそれはそうだ。豆粒どころかウイルスどころか、原子素粒子クラスの大きさの居城で企みの糸だけ引いていればいいのだから。地球が航行するにまかせて自由に衛星軌道から地核までスパコンでも予測不能な無限軌道を。その気になれば亜光速も出せるというのだから・・・早い話が宇宙船だ。開発メーカーがどこかなどは金剛アスカは興味ないので聞かなかった。「やっぱり古代の発掘戦艦じゃん!ボス乗ってるじゃん!」とか言わない。
ただし戦わない。ひたすら黒の幕海を漂い続ける。下位組織が調子にのって暴走ターボしても絶対に追いつかれることはない。儀式の地に到着して、エヴァを降下させればすぐさま離れる予定。そもそも捕獲のしようもない。全ての準備は整って、あとは
 
 
魂を捧げるだけ。
七ツ目玉が納得するだけの質を備えた魂を。
 
必要数を、揃えてしまうだけのこと。