我はアルマロス。生と死を超越した存在である。アノマロカリスを連想してしまった者は
正直に手をあげよ。
 
 
天誅!!
 
 
正直に言えば怒らないなどとは誰も言っておらぬ。我は生と死を超越した存在であるから細かいことは気にしない、おおらかな性格ではあるが、許せぬものは許せぬからそのつもりでいよ。まあ、そんな者はまずおらぬであろうがな。生と死を超越した、といっておるのに、あんなエビを裏返しにしたような、体長にしても1メートルもないものを連想するなどと・・・ありえん!我はあのエヴァとか呼ばれている虚ろの鎧よりも背丈がビッグなのだから。混同のしようがあるまい?よく目を見開いて、確かめてみよ。これで一人称が「麻呂」とかならば、それに引かれてしまうのも分からなくもないが、我は我だし。
 
 
我はアルマロス。生と死を超越した存在である。座右の銘は「I WANT YOU、I天誅」。これが本当だと思った者は正直に手をあげよ。
 
 
天誅!!
 
 
なんで怒られたか分からない者は聖書を隅から隅まで読め!それで分からなかったら百回読め!それでも分からなかったら百億回読め! その頃には分かろうと分かるまいと寿命が尽きているだろうからな、希望するなら我が直々に講義してやろう。感謝せよ。
 
 
我はアルマロス。生と死を超越した存在である。しつこい、と思ったかもしれないが、我はこの名乗りをやらないと、死んでしまうという弱点があるのだ。まあ、こういうか弱い部分に胸キュンしてしまうのが死に囚われた者どもの宿命・・・・いや、もちろん嘘だ。
 
そんな弱点はない。そんな存在、逆に弱すぎる。ちょっと名乗り忘れがあったり、噛んだりしたらそこでアウトとか。確かに我は強すぎるほどにストロンガーであるが、いくらなんでもそんなクリティカルな弱点はない。だが・・・あえて・・・
 
 
強いて言うならば・・・・我の内部に突如、出現した人類の幼生体の部分だ。たまたま今代の我がその異物の受け皿・・・形状としては円筒だが・・を残していたからいいものの、そうでなかったらどうするつもりだったのか。我もかつてはEVEと呼ばれし・・・いや、昔の話はいいか。今の我は生と死を超越以下同文であるから、昔も過去もない。
 
活動されても煩わしいので、仮死と昏睡の狭間で凍結してある。外部に排除してもいいのだが、現在の我にはそこまで自由はない。こちらに登壇早々七ツ目玉の眼盾など背負わされて、動きを封じられている。こんな卑小な人間の欲望剥き出し儀式の司など・・・だが、これも「世界のリセット」では、ある。近似的なものではあるが、ゆえに反抗不可にして強制同調される。もう少し早く降臨しておけば・・・・・と、後悔がないわけではないが、生と死を超越しているので、それも許されない。門を閉じられ、流れが途絶えてしまえば、萎びて鄙びた世界は再生不能となる。
 
 
こんな時こそ、天誅を下すべきではないのか、と、我も思う。実の所、儀式中止せよと。
身の程弁えろ。死後のことまで心配するのは人族の駆動力のひとつではあるが、やりすぎだ。アウトであろう。やめておけ、と声を大にして言いたい。
 
 
だが、できぬ。 その役目上、この超越存在は揺らぐことが許されない。揺らぎ放題の者どもがうらやましい・・・などとも言えぬが。やってもらうしかない。定命の弱弱の者どもに。我は中立、儀式の妨害者はハルバードで首チョンパしたりするが、なんとか。
儀式司、七眼審神者として役を始めてしまえば、外部からのいかなる介入も許さない。
西方の、大陸の方ではいろいろと、ルールを弄れるクラスの存在が集まっているようだが、手出しはさせない。人間の小癪な術などいうまでもない。再演は不許可、この舞台は一度きり、だ。
 
 
だが、どうにもならぬだろう。
 
 
ゼーレだかレーゼだかゼールだかゼーゼマンだかの儀式発願者は、どう転ぼうと儀式が成立するように駒を集めてしまっている。この我を儀式の司に据えるなど、腹立つが天晴れの配役としかいいようがない。この一点だけでも、もうどうにもならぬのだが・・・
 
 
遙か西方より炎の十字架が飛来している。使徒武装ソドラを伴った虚ろ鎧の十番目。磔のように入れられているのは焼死体、いや近寄る死を燃やし続けて、かろうじて生を繋ぐ死焼体か・・・ヒトの名などに興味は無いが、さすがにかくまで舞台に映えるとなれば覚える値打ちもあるだろう、ニェ・ナザレ、なる。これ一つ、この怨念一塊で星の半分がたやすく燃えるとなれば。正気覚醒度にもよるが、我もちょっと近寄りたくないレベルだ。
 
 
これがソドラを用いて島ごと燃やしてしまい、儀式成立、という可能性も高い。
 
環境やら発願者の生命やら我の無事やら、一切、配慮しておらぬやり方であるが、確実。
我は生と死を超越しているゆえ、どうということもないが・・・これも「世界のリセット」であるから親近感が湧くかと問われれば、否である。あまりに原初パッションすぎる。
我としてはもう少し文明を確保していく方向でありたい。原始に戻られてもなあ。
 
まさにガイヤー。押されれば即終了であるから、なんとかして無効化したいだろうが、おそらく我でも難しいので、人間には無理であろう。やれることといえば祈るくらいか。
 
こちら側、というのも語弊があるが、儀式成立させるための生け贄かつ護衛兵である所の我アロマロス以外のエヴァ、虚ろ鎧どもも、それなりの駒が揃えられている。
 
生と死を超越した我のような存在が強い弱いを語るのもなんだが、これも儀式司として役目として状況把握に勉めた結果、分かるのは、分かってしまうのは、儀式妨害勢力との残酷なまでの力量差。儀式妨害勢力、というのもこれまた語弊があるが、賛同して追加参戦してくる勢力などあるまいし、儀式発動者がそのように現地勢力を見なしており、そもそも贄にされることに納得していれば抵抗はないわけだが。現地民が大人しく儀式に幼生体を捧げるならば。その際に流れる血さえも、洗礼の香油に使う気でいるのやもだが・・・
 
 
儀式成立、結願に七ツ目玉がどれほど魂を必要とするのか、その判定をするのも儀式司として我の役目。正しくはこの眼盾が測定する。贄を捧げ十の盾にある十の目が全て閉じた時、儀式は成立する。正直、その結果どうなるのか我にも予想がつかぬ。「あ、こりゃアカンやつやった!り、リセットせな!!」という局面になってもそれが出来るかどうかも。
事態の剣呑さを表現するため、言語表現に粋を懲らしてみたが。ストレスはたまる。
己の本来の役目と180度反転する行為に手を貸さねばならぬというのは、生と死を超越した存在にしか分かるまいこのストレス!!だが、やってやらねばならぬのだ。
こんな時、アノマロカリスが少しうらやましくなったりもするが、我はアルマロス。
 
 
だが、ネルフなる地元の民兵組織の所持戦力は・・・・・・・・・まとめて束にして三百ほどの矢にしたところで、こちら側エヴァの一体にも敵うまい。弱い。弱すぎる。
繰り返しに強さ弱さを語るのは気が進まないが、なんというか弱い。我は別格としても、
 
別格としながらも、あえて、分かりやすさを優先して、かなーり乱暴でおおらかな算出をするならば・・・・我を除く儀式側戦力の総合計を「1アルマロス(我調べ)」とする。
事実とかなり異なる、奥の手などは計算から除外する、あくまで表層的なものだが。
 
 
そうすると、地元民戦力は・・・・・・・・「0,0007アルマロス」ほどだ。
 
 
もちろん、神視点で驕って出した数値ではない。儀式発願者からデータを提出させ、我独自の調査を行って出した数値であり、正直に言うのなら、期待値として「0,0001アルマロス」を足してもいるのだ。なんせ使徒とケンカ慣れはしているらしいからな。だが。
 
この差だ。体格が同じなら、昆虫類と哺乳類が戦えば、たいがい昆虫類が勝つだろうが、同サイズでこれであるから、絶望するしかないな・・・・なに?使徒のアルマロス値はどれほどだと?学習熱心なのはいいが・・・残酷なことを聞いてやるな・・・。よいな?
我、アルマロスとの約束だ!
 
 
反乱反旗の壊滅駆逐用であるのか地元のものとは虚ろ鎧の性能が段違いであり、それを駆る操り手の才の輝きにしても本物と模造品ほどに異なり数さえも、となれば。ちなみに、
 
幼生体であろうと関係なく、互いに喰らい合うように虚ろ鎧には呪いをかけてあった。
 
我はさすがに除外してあるが、あの大参真東亰・・・シャドウのあの者も匂いがせぬゆえ襲われることはないであろう・・・よくもまあ、あのようなものまで用意してくるものだと感心する。あれらもまた、終了スイッチ。あれ自身は知らされておらぬようだが、儀式進行用の仕掛けが施されている。まあ、この戦力差ならば使うこともあるまいが。
 
思い人の寸分違わぬ、なれど鏡の現し身。影と鏡が交われば・・・我はなんとか無事だとしても、一帯塵ものこるまい。星に囓られた痕が残るだけで。焼かれて囓られ禁断の果実にふさわしい調理法なのかもしれぬが。それにしてもオーバーキルすぎはせぬか?
 
 
スパスパッと儀式は順調に、なんのトラブルもなく、終了する・・・・・であろうな。
 
 
予定では我は一番最後に、我の内部にある贄ごと自滅することになっている。
 
生と死を超越した我であるゆえ、自殺にはあたらず、役を果たし、ただひとつの舞台を下りるだけのことだ。世界のリセット中に、世界をリセットする我は存在出来ぬ。
また幕が上がるまでは、見ているほかない。いや、基底システムをこうも弄られた日には
どうなるか・・・厄介な化け物を人類ごときが呼び出しおって・・・・我の出番が永劫永久になくなるのはあるまいな・・・・我がやる前に世界をリセットするのは・・・我封じとしてなかなか有効な手段だ・・・・・・大らかな我でもええかげん怒るでしかし!!
 
 
我のためにも、小粒でも地元戦力には頑張ってほしい・・・・のだが、力が。粒の大きさが・・・・トーヴァードが我を倒すような無理難題というか普通に不可能な話であり・・・・単純に、実力が違いすぎる。背中から痛撃を与えるレベルのことは可能かもしれぬが
 
互いに食い合う格上の存在の間に割って入るなどと・・・・知性は傍観を選択する。
 
・・・それも非連続性の単体生命として本能に従った正しい選択判断である。
 
 
我はアルマロス。生と死を超越した存在であるから、弱弱の人類を詰りはしない。本当だ。
決死率100%だが、かかってこいなどとは。そのような武踊の神ではないのだ。
今の我は、淡々粛々と儀式を進め司る存在。QRシグナムを散布したりしない。
 
 
 
儀式遂行の重要ポイントをお復習いしておこう。腹は立つが責任感も超越して高い系。
 
 
1,十種の幼生体に宿る魂(儀式レベルに相応な清浄度を満たす)を順に捧げる。
 
 
十類・・・足が速いのは我も認めてやってもいい「無号機」に
 
九類・・・足の数が多いのは我も認めざるを得ない「アレゴリカ」に。”天魔の背骨”まで装備しているのも、まあ、やるものだとしておこう。・・・我に銃口を向けるなよ。
 
八類・・・魔方陣が刻まれまくって妖しいのは見れば分かる。人類の模造七ツ目玉である”サルデス”を埋め込んであるから、呼称も「サルデス」でいいであろう。決定。
 
七類・・・ケーブルを巻きに巻いた・・・解こうとするとロクなことにならんのだろうな・・・・正体不明であるし”FDF”でよかろうこれも。
 
六類・・・ウォーキング辞書ならぬ歩く植物園、移動可能な生態圏実験施設というべきか・・・落葉帰根にして百花繚乱の有様は案外癒やされ・・・・ない!我にして怖い。
”ティアティラ”・・・これに入れられた幼生体は、養分を吸い取られているのではないか。まあ、魂捧げられるし、我には関係ないが。
 
五類・・・出典というか宗教が違わぬか?大丈夫なのか?博識の我は、不動明王やら金剛力士に似てるおるな、とか理解も示せるが、いきなりこのフェイスで現れたら現場は混乱するのではないか?あー、いや、儀式妨害側が混乱するなり猜疑心を掻き立てられるのはそれはいいのだが。「羅王出岐谷」・・・とは、「ラオデキヤ」のことか?正解かどうか不安であるから、「羅王」にしておこう。我、決定。
 
四類・・・これもまた・・・いいのか?レビアタンとかベヘムトとかなら分かるが・・・
「怪獣」とか。我はなんでも知っているからこれがなんの怪獣なのかも分かるが・・・・
それをまた半分裂きにするとか度胸があるのか臆病なのかよくわからん。怪獣だけだと思わぬ科学兵器で始末されそうであるから、防御策としてこうなっているのか・・・謎だ。
「ゴジエヴァラ」・・・・は、言いにくい上に、夕飯に焼肉を食べているような家庭的なイメージがそぐわんな・・・・「シン:怪獣福音」・・・は、ちと拘りすぎて鼻につくな。
ここは、シンプルに「エヴァンゲリオン怪獣号機」にしておくか。我の超越判断で。
 
三類・・・・は、我。もう解説の必要はあるまい。次に行くとしよう。・・・おっと、忘れる所だったが、我は三類を保有しているわけだが、儀式の司でもあり、最後まで見届ける必要がある為、二類、一類を捧げた後になる。式の順を入れ替えるのは魔の技術としてなくはないが、これだけ大儀式巨祭でやるのは後の逆報も相応なものになろうが、次を、次代を一切考えぬのだから無敵では、ある。儀式発願者はシオシオンの介入伐崩を警戒していたようだが・・・まあ用心深いヤツだ・・・
 
 
そして、二類と一類は、現地で収穫。場合によっては、スペアでもある影と鏡のエヴァどもを使ってもいいとの事だが、清浄レベル的にエヴァ零号機は可能ならば早めに捧げてくれてもよいらしい。捧げてみないと分からぬが、桁違いの清浄度、いわば、儀式成立ポイントが高い。一応言っておくが、我だから許されるワードだ。儀式成立ポイントなどと!
我以外が口にした場合は、分かっているだろうが、天誅だ。
分かりやすさは大事だが、同時に雰囲気も大事なのだから。
雰囲気を大事にすると、分かりにくくなる・・・・のもあるが。だから我だけに!我のみ!
我オンリーで使用するのだ!分かったか!!・・・・・さて、分かってもらった所で
なぜエヴァ零号機だけ桁違いの点数になっているかという疑問に答えてやるとしよう。
なに?麻雀の役みたいなものですか?だと!?
 
 
天誅!!
というか、どんな役だそれは!・・・・・理由は、だな
 
搭乗者が今代きっての聖少女、というわけではなく、零号機が魂の濾過機としての性能が優れている、という話だ。兵器としては何段階も落ちる試験機であるが、祭器機としては練りに練られて今が旬、収穫し頃、贄として捧げ頃、のようだ。
 
赤い瞳、人種としても迫害され続けた異能持ち。選ばれた貴種、として、名前くらいは覚えておいてやろう・・・綾波レイ、か。この小娘ひとりを捧げれば儀式成立となれば・・・そのように教えてやれば、地元民勢力はどうなるか・・・・我の好む方策でないが、ああ・・・・・・・そんなの、めっさ効果あるではないか。あるに決まっているではないか。
歴史が証明しておるし。儀式司としては、ありありのオプションであり・・・この超越存在としての有能性が憎い・・・・気乗りせぬ役目でも真剣に果たそうとしてしまう調節存在としての揺るぎのなさが辛い・・・・やる気の出ない仕事からすぐに逃げ出す人類どもが羨ましいわ。
 
 
2,として、エヴァ零号機は、なる早で殺害し、儀式の進展状況をチェック、だな。
 
 
3,として・・・・・ああー、普通ならば、ここで抵抗戦力への対抗について熟熟と考えチェックポイントとして上げていくのだが・・・無い。やる気が出ないうんぬんではなく、本当に無い。困るほどに無い。確かに我は生と死を超越した存在であるけれど、増上慢かつ傲慢発想はない。人類どもが誇る計算機がまとめてかかってきても瞬殺するであろうアルマロス頭脳が、そのように結論づけてしまうのだから、もうどうしようもない。
手抜きではない。単に、地元民どもが弱すぎるのだ。不公平なのだが、これは儀式だがゲームではない。ギャンブルなんかやっている連中がもう少し本腰をいれたら我でも分からないけど、どうもそんな気はなさそうだった。いや、妨害してきたらやっつけるが。
ハルバードで腹引き裂いて首チョンパだが。基本、人類など遊具程度にしか思っておらん連中であるしな。
 
 
我はアルマロス。生と死を超越した存在である。ここで、「実は弱すぎる相手には本気が出せぬ甘甘キャラだよね」などと思った者は正直に手を上げよ。怒らぬから、上げてみよ?
 
 
 
ほら、天誅を下さなかったであろう?
 
正直者は救われる。正直イズベスト。
 
 
なに・・・・・?
 
 
「その甘さを突かれて最後には敗北する、説明をするだけして便利にぶっ殺される典型的な・・・・カマセマロスだと!!!
 
 
ほう・・・・ほおーう・・・・ 正直に言ったな・・・言ってくれたな・・・・
 
怒らぬぞ?この程度で怒るものか・・・我はアルマロス・・・生と死を超越した存在・・・だからな・・・死を越えただけのエクスデスよりも凄い存在だ・・・生と死に囚われる者どもに理解できないのも・・・仕方ない・・・のも認めよう。認めてやろう・・・・
 
 
ただ・・・・・本気を出す・・・・・・・出してやる・・・・・・・・
 
 
相手がいくら弱かろうと・・・・甘さのカケラも無く、本気を出してやろうじゃないか・・・・・・・出すしかないな・・・カマセマロス、などと呼ばれては・・・・・
 
 
超越存在として大人げないが・・・・ガチンコでやらせてもらうしかない!
 
 
我はガチマロス。ガチのアルマロスである。力の均衡、神話にしてもパワーランスがひどいが仕方なし。致し方なし!キレてはいない。ただ、ガチなだけだ。キレちゃいない。
地元民戦力よ、恨むなら、この正直者を恨むがよい!!必殺!!セルフ人誅!!
 
 
 
時は、来た!!