ヤンロン「人呼んで南洋アロカ編」 1999年 148K 石龍屋美術館蔵
「NEon2point」にて積極的に創作活動を続けてこられている、先ほど十万ヒットを記録された氏の
作品である。ヤンロン氏はオオサカ在住のぐらふぃっかあであり、バナーや氏自ら筆をとられた
「惣流キョウコ・アスカによる聖母子像」などに見られるふっくらとした絵柄で有名。
先に発表された「八万六千匹の妖怪に捧げるものがたり」のあやなみ姫の肖像で朝露の煌めく
ようなセル画風の絵で新たな作風を我々に見せてくれたと思えば、今回の絵画的筆致である。
この両極端な作風に我々は何を見るべきなのだろうか?
それはまず、静止画におけるセオリー、少女の表情の洞察であろう。そこには言語に変換する
にはあまりに微妙な心情、作者ヤンロン氏と惣流アスカ、この両者の混じり合った心情を
この絵を前にする者は感じ取るべきであろう。
「鋼鉄のガールフレンド事件」といい「南洋アロカ編」といい霧島マナが出てくる話、
学園アスカが活躍しそうな話は一ページくらいで終わらしやがって!石龍の野郎、まじめに
書けこら!というアスカファンとマナリアンの代弁を感じ取ってはいけないのである。
閑話休題、作者ヤンロン氏の語られるこの作品の背景物語がある。メールで頂いたので
公開はまずかろうという判断のもとに差し控えるが、まあ、少々の謎があった方がよい。
もちろん、その謎をとく鍵は用意されている・・・・・少女の微笑み・・・。
モティーフはカメラ画像による、ということだが、その撮影者は・・・などなど。
ただ、確実にいえることは、こういう力作を自分ところではなくひとのところに
送ってしまえるヤンロン氏はいいひとであり、次の作品も大いに期待してよい、という
ことであろう。