スーパーロボット七つ目大戦γ
 
 
<消されるな、この想いルート>
 
 

 
 
 
舞浜サーバー=舞浜市
 
 
リヒテル提督の口から出た「そこ」が、このような表記になり、単純な地名でないのにはワケがあった。
 
 
位置座標が特定できておきながら、踏み込むどころか蹂躙するのも必要十二分な戦力を保有しておきながら、何も出来ず、人造寺三郎という探偵などに依頼せざるを得なかった・・・・・・<理由>が。
 
 
と、いうわけで。
 
 
舞浜。分かる人にはそれで分かるが、分からない人には分からない。当たり前ですね。
 
 
ひさびさの「ま、おまけですから」の作品紹介と参りましょう。デモンベインですら参戦してしまった現在、この「ゼーガペイン」もおそらくそのうちスーパーロボット大戦に登場することでしょう。しかし、デモンベインまさかくるとはなあ。世の流れおそるべし。
こうなると、鉄鋼巨兵SOMEーLINEとかももしかしたら・・・・いやまさか。
 
 
さて。ロボットものであるのは間違いないのですが、キャッチフレーズが「消されるな、この想い、忘れるな、我が痛み」で、「是我痛」でゼーガペイン、「断空我」でダンクーガに似てますね。光の装甲、ホロニックアーマーに包まれた空を縦横無尽に駆ける未確認機光物体、それがゼーガペイン、機体の名前でもあります。主人公は十凍(これでソゴルとよむ)キョウ。赤ピン髪の熱血水泳野郎であります。バスケットだったら違うマンガになってしまいますが。オープニング主題歌は新居昭乃さんの「キミヘ ムカウ ヒカリ」エンディングはROCKY CHACKさんの「リトルグッバイ」、話の内容とダイレクトにつながっている歌はやはり気分がいいですなあ。
 
 
まあ、ロボットものの定番として、主人公の十凍キョウがこのゼーガペインに乗って(ちなみに二人乗りであり、お約束として美少女相棒であったりする。刑事ドラマでないので)
”ガルズオルム”なる敵と戦うわけである。仲間のパイロットや空中戦艦なども出てくる。
 
 
まあ、そんな話である。タイトルを冠したロボットも、カッキンとした光りの美しさはあるものの、直感的にかっちょいいか、と言われると、どうも・・・・もし、飛行機能がなかったら微妙な見た目である。外連味には欠ける機能美というべきか。あえて天使を連想させない神話に惑わない。あくまで人の、人の痛みを正確に刻みこみ忘却から守護する記録媒体というべきか・・・・。
 
 
ゼーガペインを知っている人からすると「なめとんか」的説明ではありますが、同時に知っている人だからこそ「仕方ない、か・・・・」と、諦めつつ納得してもらえるであろう。
 
 
そんな、エンタングルでウェットダメージでセレブラントなお話なのである!!
ゼーガペインは。ひとの、いたみの、ものがたり。終わらぬ夏、という点、エヴァに似ている。
 
 
つまり何が言いたいのかというと、そのくらい謎の深い都市である、ということだ。
 
 
イケイケの大軍団を指揮するイケメン提督リヒテルにもどうにもならぬ、領域。
そこに、どうやったのかは不明だが、精神コマンダーゼロの寄代触媒にされたライザ将軍を放り込まれた。戦力的に有利なリヒテルにどうにもならんのだから、当然、じり貧状態のロンド・ベルにもどうにもならぬ。位置の特定が叶わなかったドロン・ベルも同じコト。
 
 
人には、踏み込めぬ場所。
そこが、舞浜サーバー=舞浜市。
 
 
人には、踏み込めぬが、「探偵」には踏み込むことが、できた。
 
 
もちろん、すべての探偵が、そうではない。むしろ、例外というか。
 
 
そう、我らが・・・・
 
 
江戸川コナン・・・・・には無理である。体は子供で頭脳は大人でもれっきとした人間だ。
 
 
探偵ではあるが、人間ではない、人造の探偵。そう、人造寺三郎、彼しかいない。
そのために、リヒテルが指名してその姿を現した。パープルヘイズの苦悩を晴らせるのは。
 
 
人造寺三郎、彼しかいない。助手も頭のアンテナでわかるだろうが、同類項だが。彼で。
 
 
 
 
「ふーん、なるほどねえ」
第二バベルの塔に戻ると、さっそく葛城ミサトたちに報告する人造寺三郎。
 
 
依頼の内容を他人にもらすなど、もちろん探偵として失格としかいいようがないが。
 
 
多少の心苦しさがなかったわけではないが、仕方ないのだ。依頼があってその相手がリヒテルということはドロン・ベル中が知っている。つばさとヒカルでさえ知っているのだ。もはや隠しようがない。
 
 
しかし、忘れるな、我が痛み、である。消されるな、探偵のプライド、である。
 
だが、やるしかない。なにもしない、というわけには、いかない。痛みを伴おうと選択と行動は、この人造の肉体に宿っているはずの探偵の魂の、存在証明。火を、つけよう。
 
 
やれるのは自分しかいない。舞浜にいけるのは自分だけだ。
 
 
人造寺三郎は、一服つけたくなるところをガマンする。さすがに首脳陣の前だ。
 
 
リヒテルが依頼してきたのは人捜し、というが、実質は、こちら側に連れ戻してくることだろう。出来るかどうか、シュバルツバルトとやらは当然悪人であろうから往復手段のない片道切符で放り出した、ということはありえる。復帰手段がない可能性は高い。ただ、死んでしまっては精神コマンダーゼロとしての機能が果たせなくなるのだろう。それゆえの世界の果てではない舞浜。死ぬことはない舞浜暮らし、を強いられているわけだ。ライザ将軍は。バーム星人が日本の一地方都市の生活にどう馴染むものか・・・・想像もできないが。隠し場所としては、まあ、最高の部類であろう。当人の考えは別として。
 
 
 
「行ってくれる?人造寺さん」
 
 
行かぬ、という選択など、探偵にはありえないのだが。
 
葛城ミサトの鉄眼をみれば、何を求めているのかは分かる。ロンド・ベル、または、ドロン・ベルは、精神コマンダーゼロを開封さえできれば、それも適正なタイミングで行えられるなら、ライザ将軍がどういうことになろうが知ったことではない。むしろ敵だ。
 
 
最悪、そういうことを、求めているわけだ。この秘密部隊の親玉は。
 
 
「ええ」
了解した。だが、舞浜に現地入りし、どこまでやるのかは、この、機械の体の内のペインが決める。我の、是の、人造寺のペインが・・・・
 
 
「先生!なんだかMOTHR2のラスボス戦前みたいな悲壮感ですね!なんだか、泣けてきました!」
 
別の意味で泣けてきた。いつの間にか洋子君。別にただの助手なのだから、こんな局面にペアみたいに呼んでおかなくてもいいだろう、この首脳陣。とくに葛城ミサト!
 
「うわ納得」とか言ってんじゃないよ。確かにMOTHR2は泣けたけど!
 
「じゃあ、がんばってください人造寺さん!で、人造寺さんに行けるってことはガルーダさんもその気になればいけるんだろうから、ミーア休息区司令はたぶん、いないか・・・・どこだろうねー」
城田氏たちと話はじめる葛城ミサト。まあ、万歳三唱で送り出してほしいわけではないが。完全に丸投げというか、もう済んだような感じにされるのも。信頼感がドライというか。
 
うーむ・・・きりきり
 
胃にペイン。