スーパーロボット七つ目大戦γ
 
 
<黄雷のガクトゥーンルート4>
 
 

 
 
調査の方は、あっさり成功した。芸術系の部の中に「デッサン用モデル」として取り寄せたところがあった。ただ、その部長をはじめとして誰がそれを注文したのか、覚えも記録もないそうで。ズボラなだけか本当にないのか、「そこまでは分からなかったけどね」活関係を任せたアナベスの手腕もあるのだろうが・・・・・・
 
 
「本気で隠したとは、思えないな・・・・・と、なれば」
 
落第街・・・・・・学園スラム、といったところの地下街。学園都市の裏の顔。
 
もうすこし、隠匿に努力した場合の可能性を考慮して、ここの調査を担当したニコラ・テスラであったが・・・・当然、裏の街であるからそれなりの危険がある・・・・・
 
 
「ここまで・・・・時を越えてやってくる少女がいるなどと、高をくくったのか」
 
すでに深夜。ひとりゆく白の男の姿も呑むように街の闇は深くなる・・・・ここならではの経済活動、という活気領域からも遠ざかり・・・・・襲うなら、狙うなら、やってみろ、といわんばかりの魔人の誘い。いつの間にか、深い霧が出てきていた。
 
 
屋敷に残してきたネオンとドロシー嬢のことが気になったが、頼んだ護衛の力量を考えると、それも不要な心配だと思い直す。依頼としては、ドロシー嬢に報告してしまえば終了、という手順であるが・・・・依頼人に気づいてか気づかずか、危険が迫っているならばそれも排除してこその思弁的探偵部・・・・とはいうまい、雷電魔人たる我の
 
 
 
「現れたか・・・・・」
 
 
雷電感覚を展開させるまでもなく、夜霧の中より、包帯三角アタマの、怪人が現れた。
 
 
「お初にお目にかかる、雷電魔人・ニコラ・テスラ・・・・・私の名はシュバルツバルト」
 
 
「何者・・・そうか、シュバルツバルトというのか」
 
 
年寄り同士の割りには、せっかちな邂逅ではあった。残り時間の短さゆえ、ではない。
双方とも年寄りではあるが、尋常の人、ではない。長きにわたる闘争体験より「こいつは話しても無駄。さっさと倒してしまうに限る」と判断がつくゆえだ。
 
 
自分がいうのもなんだが、こんな年寄り声が学園都市の学生なはずはないっっ!!
 
包帯を巻いた三角顔にも書いてある「アンドロイド娘をまんまとワナにかけにきたぞ」と。
学園都市の薄暗闇にに潜んでじっと監視していたぞ、と、その狂気ぎみの目が語っている。
 
 
雷電公・ベンジャミン・フランクリンより譲り受け「結社」の改造を経た、機械帯(マシンベルト)を発動する!!。ニコラ・テスラ戦闘モードへの変身。この怪人を叩き潰してこそ依頼も完遂、というものだ。
 
 
「貴様のような闇の輩に、我が愛する輝きたちには、指一本、触れさせん!!」
 
 
数々の悪を討ち払ってきた燦めく正義の稲妻・・・・・それを前にしても、シュバルツバルトは薄笑いを不気味に浮かべるのをやめない。もとが新聞記者であるから、しっかり相手の弱みを握ってから登場しているのだから当然と言えば当然であるが。
 
 
百戦錬磨、唯一人で巨悪に立ちむかう、無敵孤高の雷電魔人にも、まあ”弱点”はある。
 
 
まさかそんな下調べをしてやってくるとは夢にも思っていなかった。
戦隊ものと違って、一人で戦う系のヒーローはその点がもろい。最近、ライダー系のヒーローも一人ではないのはそのあたりを考慮したせいかもしれない。
 
 
その点をいつまでも、つかないでやるほど、悪はやさしくもない。
 
 
ニコラ・テスラはとっつかまった。