「 孫とやりたかったこと・・・かね」
綾波ナダとのリモート回診(実際、誰が誰を、という関係性ではあったが。死神の枕元にもやはり死神がくるのであろうし)でのことで、そんなことを聞いたことがある。
無理に仲を維持する間柄でもなし、興味というよりは気紛れ、時間つぶしに近い感覚ではあった。己より先に死ぬかもしれぬ・・・その可能性がかなり高い・・・医者に看取られる皮肉・・・いや、この眼、使徒殲滅業界で知らぬ者はおらぬ「邪眼」持ちに対する措置としては正解の部類。組織の長として義務でもあっただろうか。己を、己の目を画面越しであろうと何の恐れもなく平然と眺めるその赤瞳には当初、驚きもした。経験の成せる業かとも思ったが、もう一人の回診相手は橙色の髪をした年端もいかぬ姿となると、単に死を間近にしている者の諦観、アパシー、無感の凪、と考えもしたが、それも違った。
己はほぼ聞き役にまわっていたが、綾波ナダと赤木ナオミ、あの2人はよく話した。
それも死の恐怖を紛らわすために昔日の記憶をえんえんと繰り返す、というものではなく。
昔話も相応にするが(赤木ナオミも見た目以上の年代記憶があったが今さら隠す気もないようだった)現状の、世界劇場における最新演題をよく語り合っていた。静かに最後を迎えるつもりであったので今さら業界の最近など積極的に収集する気もなかったのだが。
意見を求められれば応じはしてきた。問うことはほとんどない。それが唯一だったか。
過去形で問うたのもとくに意味はない。単なる事実。役割を果たし終えた同士、遠慮などするはずもない。自分たちは、己の意思のもとに選択し、決めてきた。封じ、潰して、禁じた、ともいえる。巨大な力をもって、その他の未来を滅ぼしてきた、ともいえる。人は背負わされ刻まれた権能において平等ではない。特に己など、救世主にすら石を投げられるだろう。罪と罰を同時に犯した。背水ならぬ背炎。人類の歴史は改変されない。少なくとも己が生きた時空間は、逆行者にも弄ることができない。それをやろうとすればソドラの火に焼かれるだろう。もう、選んでしまった。この過去は代えられずこの現在、ここからの未来しかない。この道がまずいと先で判明したとても。超越存在が審判しにやってくるかとも思ったが、未だに訪れない。こっちから出向くのを待っているだけかもしれないが。ソドラの火をくぐりぬけ改変を重ねる手法などいくらでもあるだけのことかもしれないが、己はそのように選ぶ。この身をそのように使う。多少バロックかもしれないが、マルドウックチルドレンが・・・ベビーになってしまったが・・・生きる世界線を求める。
後は任せるしかない。綾波ナダの孫たちに。正統なるチルドレンが成人するまで。
全員とはいわないが、その中から仏陀やキリスト級の聖人が現出するはず。人類に生まれる前には覚えていたはずの、悟りの灯を点火し、この世に実在を示してくれる日がくる。
人工知能がそれを示しても、大人しく従うほど人類はまだ成熟しとらんだろうし。
熱ある血水をもって鍛えた言霊でもって「こういうことだ」と示してやるまで納得するまい。それを。その日をこの眼でみることはかなわないだろうが。まあ、それでもいい。
流れによっては、世界を焼き尽くしていたのかもしれないわけであるし。
ゴドムが半分に分かたれ、ソドラも中身は抜き出し時空間に滞留させてある。その外殻を天京でユイザやナルコ、・・・あとはなんといったか、アース・ラングレードライだったか・・それらが活用制御に奮闘している。やり遂げるだろう。やり遂げてくれ。その上で
次代のエヴァの生きる道を見つけてくれれば・・・・いいのだが。戦闘兵器として完結するにはあまりに惜しい。その点はマルドウックの連中には期待できそうもないので、才に劣る分だけ柔軟に立ち位置を流動させられそうな今代のパイロットたちに期待するしか。
ただ、それらの点を考慮しても、綾波ナダへの問いは・・・どうして発したのか、謎だ。
向こうも意外そうな顔を一瞬したが、即座に答えてはくれた。
umieあたりで靴とかカバンとかみつくろってやりたかった。北野あたりでロシア料理やアフリカ料理やパキスタン料理を食わせてやりたかった。クルージングも体験させてやりたかった。なじみのBARで酒を教えてやりたかった。タバコは・・・・やめとくか。いや度を越さないように教えるだけ嗜みとして教えとくべきか・・・
長々と。それほどあるのなら、なぜやっておかなかったのか、とは問わない。
立場や役割が重すぎれば、それに埋没してしまうことはよくあること。同化すらしてしまうことも、まあ、ままあることだろう。強くあらねば生きていけない。甘いなど生きていく資格もない。優しくすれば後ろから切り裂かれ貫かれる。そんな、人生ならば。
今日は定時になってもナダのモニターが起動しない。
「あー・・・これは」赤木ナオミのものは正常に映っている。なんらかの機材トラブルの可能性も零ではないが、それよりも可能性が高いのは。しばらく待っても病院スタッフからの説明もない。赤木ナオミの方も同様らしい。なんらかの政治的圧力により、このまま衰弱死しろ的なことかもしれない。
それならもうさっさと機材の電源を落とすか薬剤注射でもしそうなものではあるが。
「医者の方が早かったとはねー・・・まあ、坊主じゃないんだから仕方ないか・・・」
「不養生な医者に回診されても、患者の身としては応答に困るところではあるからな」
「道連れにされるかな、とも思ってたんだけどね・・・いや、そこまでお上寄りじゃあなかったな・・・」
「そのようなことは考えたこともなかったが・・・成程・・・そんな選択もあったな」
「後釜には誰が座るのか知ったことじゃないけど・・・こっちの死体の始末を安心して任せられるのは・・・ブラック・ジャックか綾波ナダしかいないしねえ・・・アインシュタインみたいなことされても困るんだけどねえ・・・」
「我はナダしか考えられぬが、それも汝の選択肢か」
しばらく赤木ナオミと話をしていても、ナダは現れない。意識不明状態になったか、死亡心停止したか、はたまた復讐者の襲撃なり下剋上でもあってその肉体を破壊されたか。
確認する方法はある。単純にナースコールして医師なり看護役なりを呼べばいい。
そして、問えばよい。「綾波ナダは亡くなったのか」と。
赤木ナオミにいたっては第三者を介すことなく、いかに厚いベールで秘匿されようと事実を刹那に把握することが可能だろう。こうして無駄話をしているのは本人にその気がないせいだ。衝撃を受けているのかもしれない。己にもさすがに看取られるのはこちらだろう、という油断があった。または、怠惰か。必滅、必ずそうなることをわざわざ確認するまでもない。遅かれ早かれそうなるのだ。己たちを含めて。その間に心音が停止するかもしれぬのだし。先にいってしまったのならば、おそらく己ら2人を分かりやすい場所で待って詫びをいれるはず。友人でも家族でもないが、そうするだろう。確信がある。終わりの地が、こんな東の島、いすてじあになるとは、カッパラル・マ・ギアにいた頃は夢にも思っていなかった。少なくとも同文化圏で帰根するものかと。ただ、大量かつ高性能な揺り籠を急遽必要とした身は墓場で寝転びながら塵と消えゆくことも許されない。それを思えばここは争いも憎しみもあるようだが、己にとっては聖なる地。御都合聖地だった。
この地を司る綾波ナダは、恩人でありただの医者というより聖人に近かった。
それを考えるとこの先己らと合流可能なのかと思うが、まあ、待っているだろう。
少しばかり無駄話をするくらいはいいだろう。今までやっていたように。
礼代わりにアドバイスもあったのだ。「孫とやりたかった大量リスト」に「孫が祖母とやってみたかったこと」を付け加えるのはどうだ、という単純なものだが。やはり若者と合わせるポイントは多少は作ってやらねば。己もユイザやナルコの相手をする中でそれを学んだ。
「ゴースト、魂とかあるなら、最後の回診にくるよね・・・・?」
「まあ、そうしてもらえれば有難いな。さぞ難儀だっただろうに受け入れの感謝くらいは伝えたかった」
「目の飛び出るような金ぶんだくってるんだろうけど・・・そうね、ありがたくはあったわね」
しばらく赤木ナオミと話をしていたが、眠くなってきた。いつもと異なる眠気ではあったせいか、抵抗できない。もう少し話につきあいながら待っていたかったのだが。
二ェ・ナザレはゆっくりと瞼を閉じた。
「なんでこんな危なっかしい時にきたのら?事前の情報収集は大事なのら?」
「ナツミさんは勇者だから、見捨てたりできなかったんだよね?」
「単にDLCとか拡張パッケージを見逃せなかっただけでつ。アーリーアクセス勢とはそういうものでつ」
3人の、下手をすれば幼女に近いような背丈で、しかもパジャマであるから余計に年齢など分かりようもない「彼女たち」の部屋に通された鈴原ナツミは風呂上がりの頭でこの状況は良いのか悪いのかセーフなのかアウトなのか安全なのかやばいのか・・・判別しようとして早々に止めた。案内役が知った顔であるのは、まあ、いいことだろう。緊張がないわけではないが、力の入れどころ勘所はすでに掴んでいる分。未知の赤い瞳に囲まれるよりなんぼか圧は軽い。考えてみれば再会の可能性もけっこうあったのだが思い至らなかった。なんせ、女学院。綾波先輩が通っているのだから高校ハイスクール相当の施設だと思っていた。能力面から考えても、もっと研究所みたいなところにいるものかと。
女子寮内のこの部屋は、完全に子供部屋。完全に小学生女子部屋。しかも低学年寄り。
2段ベッドが二つあり、自分用にマットやシーツもしつらえてあった。碇シンジが言っていた必要になるだろう荷物とやらも段ボール箱にて届けられていた。しばらくここを生活の拠点にせねばならんのか・・・繰り返すが、全くの初対面子に囲まれて寝るよりなんぼかラクではある。そう思うことにする。
赤木ナオラーコ。赤木コナコ。赤木ツリーツ。
「赤木シリーズ」なんて呼びたくはない。恐るべき子供、なんて忌避するほどこちらも大人でもない。ただ、その小さい体に尋常ならざる知能を宿して、世界など平気で揺るがせる。エヴァのパイロットたち、チルドレンとはまた別の、「とある大天才の」複製。
特異人とでもいえばいいのか。こと電脳方面では使徒よりも厄介な、才の発揮しようによっては悪魔にも菩薩にもなれる。ヒトには無限の可能性があり、やりたいことをしてなりたいものになればよいのよ、とか大人から励まされるのが相応の見た目であるけど、したい放題好き放題されては世界が非常に困るので、人類正義最後の白騎士たる綾波先輩がここで監視していた、という建前なのだろう。特異を隠すには異能の中。
「ユダドクロン」 「タイタンなまず」 「天源破戒」・・・公式記録や業務日誌から削除されようが人の記憶から消えることはない。消してはならない。その気になれば、さらなる上位モデルを製造できるのだから。その賢なる血筋は。とか、警戒されてるのだろうけど、ひとまず、うちには関係ない。知った顔が情報関係に強いなら有難いだけだ。
「ポテチはミニサイズのを一人一袋まではオッケーもらってるのら」
「ジュースも、いいよね?寝る前にもう一回歯を磨くからいいよね?」
「なんでエナドリは禁止するでつかね・・・あの出っ歯オジサンは」
ささやかに歓迎の宴を開いてくれようとしているのか、単にそれを口実に自分たちが夜のお菓子を楽しみたいのか、微妙なところであったが、この寮生活に馴染んではいるようだ。コナコはともかく、ナオラーコとツリーツ(赤木リツコ博士をそのまま幼女にしたような感じで口調がアレだが目力が強い)は他人の言うことなど容易に聞くタイプではないのだが・・・・校長先生兼女子寮管理人の威厳ですかねえ。アレに逆らえるはずもないか。
ちなみに、碇シンジは当然ながらこの女子部屋にはいない。いたら完全に犯罪、アウトだ。
客用の特別室でも用意してもらっているのかと思いきや、女学院の中央に聖堂があるのだけど、なんとそこに放り込まれていた。荷物一式、寝袋と一緒に。すごい扱いだ。上なのか下なのか、コメントしづらい。聖なる女学院における最上等の至高の宿だと言われればそうだけど・・・馬小屋とかあったらそこに投げ込まれていたかもしれない・・・本人は意外と平然、「”師匠”と同じ部屋だと言われたら逃げようかと思ったけど、ここならまあ、アリか・・」的な面構えだったので、よしとする。うちからは何とも言えない。女子の園に役職もないオトコの子が混ざれば現実的対応といえばそうだし。いや待てよ・・・?
綾波先輩がいたら、その部屋にいっしょに・・・?「碇君はお客様だから・・・私のベッドでやすんで。私はソファでいいから」「そんな!綾波さんはきちんと正しくベッドで睡眠をとらないとダメですよ!」「でも・・・」「ダメですよ!」「でも・・じゃあ・・・それなら・・・」「え・・・?いやいや、そんな!リアルお姫さまベッドの寝心地とか興味あるけどいけないよ綾波さん!・・・・それにしても大きな・・・これなら隅っこの一部でもなんとか?」「きて・・・碇君・・」「ごっちゃんです!」
・・・・しょせんシンジはんもしょせんオトコ・・・・・そうなっとった、かも。
いや、実際の綾波先輩の寝床がどうなっとんか知らんけど。公平に2段ベッド・・・あるかもなあ・・・全寮制とはいえ歴史なんぞなさそな、いかにも急ごしらえのでっちあげ構造やし、綾波先輩は普通に家から通っとったんやなかろうか・・・・?どうかしらん。
ようやく落ち着いて情報摂取のお時間となった。そんなの最初にやっとけ、と言われても返す言葉もない。ほんとうにないのだ。自分で、「そうだ、しんこうべ、行こう」とか思いたったわけでもなし。立場的におかしい気もするが、これは性別的に致し方ない。しっかり聞いてあとでシンジはんに情報共有しとかねば。疲労による眠気もないわけではないが気合を入れ直して聞いていく。リアルタイム現地情報はとても大事。そんなもの、こんな子供部屋で幼女なんぞに聞いて大丈夫か?とか遠隔地にいるよそ者には思われるだろうけど、こっちも自分の安全がかかっている。あだやおろそかなネタ元に頼るはずがない。
というか、この三人官女ならぬ三人幼女は非公式にネルフ本部中枢機能のメンテ要員らしいし。しかも最上級の。怪談めいた怖い話でも実物がすぐ目の前にいる。面白半分にウソなど混ぜられたら・・・いや、それは大丈夫やな。そんなことはせんし、されても分かる。
「聖母派」「聖レイ派」「聖事派」の三派のことは綾波イヌガミの話したこととほぼ同じ。
地理的データや数値データを示してくれるあたり、よく全体像が把握しやすくなった。
よそ者の素人向けに分かるように丁寧に作られた資料は、AIに作らせたのかもしれないが、そのように指示したのが賢い。知恵ある人はそうでなくては。気難しい天才あるあるで、「こーでこーでそれであーでゆえに結論はこうなって必然、証明終了!まったくかんたん・・・え?どーしてなにゆえこんなことも分からないのらー!!」専門用語やら高等数式の千本ノックみたいなのを覚悟してたけど助かった。幼女にだってサンドバッグにされて喜ぶ趣味などない。人がわからんよーに話して知性もヘチマもあるか。ともあれ。
その三派については、綾波イヌガミの話イコール綾波党の公式見解であり、おおむねその通り、この先どうなるかはともかく、「聖事派」含めて綾波党の管理下にあるといえるようだった。危険性というか、こっちにふりかかる火の粉の量でいえば、そう慌てるほどでもなさそうだった。創立者にして党首の綾波ナダが危篤状態であろうと、数々の争乱を経てきた綾波党の組織体制は盤石、アホみたいに強い幹部がウヨウヨしており揺らぐことはない・・もとよりその程度の組織ならばとうの昔に本来の自治体に壊乱されていただろうと。・・・・それもそうか。改めて考えると、日本国内におるくせにヌケヌケと行政組織を牛耳り裏から操っているのだ。非常識にもほどがある。そんなんを綾波先輩が継ぐんかー・・・継いでええんかな、ほんま。いや、それはともかく。現状把握や。こちらは所詮、よそ者。いつかは第三新東京市に戻る身だ。無責任な感想は控えよう。地元の皆さんに考えていただくほかない。時間が惜しい。早急に手に入れなければならないのは安心情報より危険情報。備えるにも心構えするにも、具体性のある情報は不可欠。暗闇からナイフや鉄砲が飛んできてもよけられるはずもない。全体的にヤバいのだとしても、赤いのだとしても、それでも濃淡遠近はあるはずで。しかも、そういう切実な情報に限って正直正確にインフォメーションされなかったり。ウソを平然とこいて人を置き去りにしようとするバカ野郎とか。いますしね。弱者は弱者なりに距離をとるから、正直に言えってんですよ。
「”外綾波”と”アンチレイ”?」
綾波イヌガミが告げなかった、知らぬわけでは当然ないだろうが、これが立場、話す角度の違い。存在するが、それを認めない。認めなければ存在はせず、語られることもない。
だが、厄ネタ。渦中にいる自分たち、正確には碇シンジ、シンジはんがそれでうちはその傍にいるだけのおまけやけど、まきぞえを食うのはかんべんであり、直撃だって避けさせてみせるのが腕前だ。兄やんもたぶん喜んでくれるはず。ようやったと褒めてくれるはず。
「わらわがつけた名称なのら〜」
「アンチレイはそのままだし、外綾波もおおざっぱすぎるよう・・・」
「どっちでもどーでもいいでつ。要するに、エネミーでつデンジャー勢力でつ」
「敵・・・危険・・・」
それが知りたい求めていた情報だが、やはりダイレクトで耳にして気分がいいものではない。敵などなく危険などないよ、と言ってもらえた方が心は安らぐ。けど背筋を凍らせながらも聞かねばならない。それがどのようなものなのか。この地を支配する組織が、口にしなかった勢力が、どう動いて、自分たちとどう絡むか、近寄ってくるのかどうか。
判断は碇シンジがするにしても、だ。けどまあ・・・「アンチレイ」とか、絶対に敵対するしかないやん。そんなん。綾波先輩に反対する者か、おそらくは党後継のことだろう。
崇拝する輩と盲従する輩と異議を唱える輩。それから、イイ感じに有用したい輩、か。
「”アンチレイ”は、党首後継指定されている綾波レイへ反対を唱える者たちなのら」
やはり誤解しようもなく、そのまんまだった。むしろ分かりやすくてグッドといえる。
どうしても腹立つ響きではあるが、やもうえまい。冷静にならんといかん。世襲、しかも祖母から孫へ、というのは、確かに人生経験その他で不安を覚えるのも道理であろうし。
そのまま世襲制打倒、綾波レイを倒せー!市中引き回しの上、磔にせよー!、なんて話になったら黙ってないけど。うちも。当然、シンジはんも。そんときゃ初号機に乗って遠慮なくやったんさい、
ですわ。まあ、さっき見せてもうた数字というか支持率的にもそんなことにはならんとは思うけど・・・なってほしゅうないけども・・・。
「うわ、眼が怖いのら・・・・」「魔王も逃げ出すカンスト勇者の目玉だよ・・・」「ただの一般人と思ってたのに・・・影響を受けてるんでつかね・・むしろ汚染浸食でつかね」
なぜか三人の天才幼女、三天幼にドン引かれていた。なんでやねん、とつっこみたかったけどさらに怯えさせそうだったので、とりあえずポテチとジュースと荷物に入っとったクッキーで場を和みリセットさせる。お菓子は正義。スイーツはパワー。でも勇者ネタはそろそろやめてほしい。敵とか危険とか聞いてもうさっそく内心ビビリ入っとんのに。
「それで、”外綾波”ゆうんは・・・?」
ビビッていようが怖かろうが、聞いていく。ここで聞かねばならない。名称からすると外戚みたいなもんか・・?資産狙いの聞いたこともない親戚が襲来する的なことなのか?
うーむ、それも将来、シンジはんと綾波先輩が所帯もつ、みたいなことになるのなら隣に立って撃退なり懐柔なりせねばならんのだろうが・・・話が通じるなら、まだいいのだけど・・・弁護士さんが間に入ってまーるくおさめまっせ、みたいなら理想だけど・・・
<碇シンジへの好感度情報>
しんこうべ市民=変動なし
聖事派=変動なし
綾波党=変動なし
綾波レイ=祖母危篤の報を受けて、かつてないほど動揺中。もちろん好感度どころではない。