フランスはノルマンディーより”モンサンミッシェル”
 
 
それは、人類の創造的資質を示す傑作であり、
 
 
シリアは砂漠のオアシスより”パルミラ”
 
 
それは、時代を越え、建築、技術、都市計画および景観の発展に大きな影響を与えたものであり、
 
 
エーゲ海は中世都市群より”ロードス島”
 
 
それは、現存の、あるいは消滅した文化的伝統、文明に関する独特の証拠を示すものであり、
 
 
イタリアはローマより”カラカラ浴場”
 
 
それは、重要な様式の建築物、重要な発展段階を示しす景観の見本であり、
 
 
トルコはイスタンブールより”アヤソフィア”
 
 
それは、ある文化を代表する伝統的集落、土地利用の顕著な見本であり、
 
 
露西亜はモスクワより”ポグロフスキー聖堂”
 
 
それは、普遍的な重要性をもつ事件、現存の伝統・思想・信仰や芸術的、文化的所産に関係するものであったりする・・・・
 
 
エチオピアはラリベリより”ベテ・ギョルギア”
 
 
つまりは、人類が、次代へ引き渡すべき「大宝」である。
 
 
メキシコはティオティワカンの”太陽の神殿”
 
 
まさに、世界の遺産。略しても略さなくても、「世界遺産」。
 
 
手塚治虫の「三つ目がとおる」だったか、わたしたちがいなくなったあと、次の知的生命体、宇宙人か進化ナメクジ人かが、わたしたちが残した文明をみてなんというのか・・・・「すばらしい」、というのか、「おろかしい」というのか、という問いかけがあったが。
 
 
とりあえず、分かるような形で残しておかねば、評価の仕様もあるまい・・・・
 
 
せめて、人類らしく・・・・・
 
 
と、思うのであるが。とても。ものすごく。くるおしいほどに。にくらしいほど。
 
 
一応、国連の関係機関であるネルフとしてみれば、なおさらである。
 
ただ、それは、それら大いなる人類の宝たちが、あるべき場所におさまっていれば、の話。
 
謎の球体力場に包まれて、空の旅を経て、自分たちの武装要塞都市に”やってきた”となれば・・・・
 
それが、合体ロボよろしく、積み上がっているとなれば・・・・・・!!
 
 
 
「宇宙から謎の円盤がやってきてくれたほうがまだよかったな」
 
 
などと無茶なことを言ったのは冬月副司令であった。使徒との戦い、組織の無茶気味編成(VS人間敵)、市民総凍結牢獄入りなどを経て、たいていのことには動じなくなったはずのネルフ総本部発令所が動揺しきりの中で、実質トップがうろたえていても困るが
 
「無茶言わないでくださいよ」
 
この状態に加えて、そんなもんの来襲を迎えたら完全にキャパオーバーとなる。作戦部長が指揮を執れず、元作戦部長の復帰も未だの現状ではそう軽やかにもなれぬ青葉シゲル。
 
「うーん、マーズですねマーズ。いや、合体していってるからこれはゴッドになるのかな」
 
別に現実逃避しているわけではない、これで平常運転なのだ。日向マコトである。
実際の戦闘稼働作業をまわす中心の一人であり、確かに動揺もせず仕事もしているのだが。
遺産内部にいる人間の救出も視野にいれて、となると非常に困難なことになる。
 
「これ、手が、出せませんよね・・・・・」
 
参号機と八号機、そして、獣飼い専用機、後八号機のセッティングを高速で行いながら伊吹マヤがそばに立つ赤木リツコ博士に。セッティングは戦闘のため、であるが、あれらをどうしろ、というのか。額が目立つようになった彼が謎の単語をほざいていたが、あれらを破壊しちゃまずいでしょう、と思う。こうなると、綾波レイが風邪で欠場、というのは天の配剤だったのかもしれない。あの子なら、遠慮しないだろう・・・・衆目の一致するところだ。いや、中に人間がいるから、さすがに躊躇した、かな・・・。すでに分かりやすすぎる形で世界の耳目を集めてしまっている。慣れた発令所ですらこの動揺だ。
今回のVSは、完全には秘匿できまい。表も、裏も。業界の、内も外も。
その所業は、まさしく歴史に残る・・・・・。
 
 
「すべてが天使関連の施設、というわけでもなし・・・・それでも、こんなことに使われてもね・・・・」
 
人類的には宝であっても、宇宙人の技術支援があったとかならまだしも、内部に超パワーが秘められていた、とかいうわけでもなし、ここまで旅してこれたのは、包んでいるフィールドのおかげだろう。遅れていた世紀末の世界滅亡タイマーがいまごろ作動したとか。まさか。だが、なにゆえ、こんな手間をかけたのか・・・・人間の鎖、ならぬ、文化の盾、のようなことを使徒が考えたのか?今回はエヴァのコピーが来るかと思っていた赤木リツコ博士は思索する。霧島教授か、それこそ作戦部長の座目楽シュノの分野であろうが、ともかく、これは使徒使いに対する出題には違いない。前回の、おそらくルール違反に違いなかったレイの助太刀に対する報復、ということも考えられるが。
 
 
だと、すると・・・・・
 
 

 
 
 
「ワイでもいくつか知っとるレベルやないか・・・・・・・・・」
 
参号機エントリープラグ内で鈴原トウジが、呻く。自嘲にならぬ、こういう事態をなんというべきか・・・・真・シャレにならぬ。
 
空を飛んでやって来た世界遺産の七体合体。新世紀のトンデモ世界七不思議に認定すべきか。同じ古いものでも、廃材置き場にあったものが文明に対する復讐的に巨大合体とかしていれば、また違うのだが・・・・「ゴミエル」とか命名されてあとはネルフ的ルーティンワークにカタをつけるとか。
 
知らなければ少しは気楽になれただろうか?いや、それでもあの偉容を目にすれば、理屈ぬきに侵すべからず、ということが理解できたはず。考古学に興味があるわけではないが、それでも、あれらを敵性体と見なすのは難しかった。内部に人間が閉じこめているらしい、という情報も受け取っている。
 
 
「これ、どないすんねん・・・・・・・」
 
心配だけしていればいいという身分ではすでにない。というか、その身でどうにかせねばならないトウジ者、いやさ当事者だ。切り込み総大将な綾波レイが体調不良で出撃不可となれば、経験が足りていようがいまいが、自分が戦場の空気を吸って読まねばならない。
 
むろん、単騎というわけではない。火織ナギサの八号機も、今回は真希波マリも後八号機で参戦している。機体色はピンクというか、桜色。ステルス機能は標準であるから素の色彩にあまり意味はないとはいえ。・・・・それから、腰の辺りに、明らかに「頭部」っぽいものを提げている。アンパン頭のヒーローじゃあるまいし、スペアの首、だとしたら怖いがいまいち機能が読めない。自分たちの参号機とは別の流れであることだけが分かる。
 
 
その二機の存在は心強いし、もちろん、発令所からの指示がある。基本、その通りに動けばいいわけだが、実戦となると刹那の判断が死命を分ける。データのない使徒相手であればなおさら、まあ、ほぼ例外(いつもの)パターンというか。
 
 
しかも、今回の主役は、手駒が尽きている。戦力としてあてにできない。
 
 
使徒が自分たちの住処を襲う、というのなら、撃退する。するしかないが。
 
 
「力がなければ、何も答えていけないことはないよ」
 
誰かと思うほど、その通信はずいぶんと歳経たものに聞こえた。真希波マリからだった。
普段、聞いているつかみどころのないふわふにゃしたものとは違う。
 
「は?なんのことや」
 
トーンは落ち着いて明瞭でも、中身が分かりにくい。唐突でもある。こっちの心情を読んだかのようなタイミング。
 
「今回の主役はあくまで、霧島マナ。主役を、食べちゃ、だめってことだよ。鈴原君」
 
「・・・・・」
 
「君には、かわいい愛しのヒカリちゃんがいるんだしねえ。食べるなら、まずはあっちさ」
 
「な・ん・の・こ・と・や」
いわんとするところは分かるが・・・・そこまで傍観者でいられるか、というのもある。
こちとら、そっちと違ってここに家やら生活圏があるのだ。そして、未来も。
 
「うーん・・・主役をなめるなってことさ。なめなめするなら、まずはヒカリちゃんを」
 
 
「一応聞いとくけど、これ公開にはしとらんよな?他のもんには聞かれとらんよな?」
いわんとするところが、分かっていなかったかもしれない。なんじゃこいつは!!
おなごでなかったらソッコーでしばいてやるところだ。いや、まずは使徒か。いやしかし、壊れるから単純にしばくわけにもいかんのか。今回のやつは。
 
 
「おいナギサ」
 
「・・・・なんだい」
 
「今の話は聞いとらんよな?聞いとらんな、よし。それでな、今回の世界遺産合体使徒のコアはどこにあるんや」
 
「獣飼いとの猥褻な密談など聞いていないけど、サギナとカナギには口止めしておいた方がいいだろうね。二人とも悪気がなくとも目と耳の能力がありすぎるからね、そして階層的世間知に全く欠けている」
 
「100パー聞いとるやないか!しかも猥褻ってなんや!せめてカタカナにしとけや!・・・・・・おい、ちび姉兄ども!聞いとんな!今の話、他の者にバラしたりしたらもう二度とアイスおごったらんからな!!」
 
「むしろ、その警告というか脅迫が皆さんにもれてるんだけど・・・・まあいいか。
それで、コアだけど、見えないね」
 
「はあ!?お前らむっちゃ視力がええんやろ?千里眼どころか万里眼とかいって地球一周して自分の背中が見える、とか自慢しとったやないか」
 
「誇大宣伝もほどほどにしてくれよ、鈴原トウジ。いや、ある意味過小評価でもあるのか・・・・まあ、いいか。コアがあれら遺産合体物の内奥に見えないのは事実で、遠隔操作されているんだろう。ああいう形に積み上げられて」
 
「となると、その遠隔操作しとる奴が、今回のホンマモンの相手の使徒っちゅうわけか」
 
「それも、見えない。隠れているのか、その必要がないくらいの距離の意味がなくなるほどの遠方から、こういった操作ができるのか・・・・使徒使いのみ到達できる場所に引き籠もっているのだとしたら、僕たちにできるのは」
 
「匂いも感じられないね、トウジ君、気配とかどうだい?」
真希波マリが引き継ぎ、鈴原トウジ、もしくは参号機に問うてみるが、怪しの風は感じない。返答は「”否”」。
発令所からその旨の情報が追加されないところからすると、
 
「バリケードよけ、露払いだけっちゅうことやな。なるほど、納得したわ」
声の落ち着き、というのはこういうことだ。事態の本質が自分より見えている。
短期限定でいえば、頼りになる。綾波やシンジたちより。この先は、わからんが。
 
「いわゆる、”俺の屍を越えてゆけ”・・・って感じかね」
 
「せめて、”オレに任せて先にゆけ!”程度にしとけや!!しかも野郎限定かい!!」
 
 
「まずは、先にいくべき彼女が・・・・・来たよ」
 
八号機というのは確かに別格に目が利く。箒に跨った使徒使いの姿をいち早くとらえた。
 
先にいくためには、おそらく、人であることをやめねばならぬ少女の顔も。
 
その表情、目の色まで分かるが、三位同調する姉兄以外には伝えない。
 
見て取れたのは、覚悟。正解も不正解も恐れぬ者の一意。
 
魂や意識の偏差値表は天国に保管されているのかもしれないが、上がったのか下がったのかなど、分かるはずもない。カヲルなら見抜き、検算できるのだろうが。逃げずにここに来たことしか自分には分からない。ギリギリ間に合ったのかどうかも。
 
遺跡達は到着してしまった。最初はひとつだけかと思っていたが・・・・まさか七つも。
大盤振る舞いが過ぎるだろう、使徒よ。そこまで大業に示されねば、分からぬというのか。
 
まあ、歴史を紐解くと、分かったためしは、あまりにも少ないのかも知れないが。
 
彼女はこの出題を解いてきた。彼女は、とりあえず。
 
なぜ、このようなものが飛来してきたのか。遺産を破壊する、ということに何か意味があるのか・・・・なんにせよ、ここからせねばならぬのは、取り返しのつかぬ選択。
 
 
迷いをやめ、思考停止して決めてかかろうと、彼女は、それをせねばならない。
 
 
試練の主役の到着に反応したか、それとも時間通りだったのか、
 
 
ずずずずずずずずず
世界遺産合体物が、動き出した。市街中心部に向けて、進撃を開始する。
 
 
鈴原トウジたち三機のエヴァも地上に出陣する。使徒殲滅がネルフのエヴァの仕事であるが、さすがに「とりあえずぶち壊してしまえ」という大ざっぱな命令は出ない。中に人間もいる。生存は不明だが。
 
 
進撃妨害、足止めしつつ、可能な限りの接触データを取得しながら、次の手を考える、という、歩みから牛にして角を矯正していき、うまくいけば死なんかな、という憂し作戦・・・・の建前。あの姿からどう攻撃してくるのか・・・・・ただ動くだけだろう、というのは楽観がすぎる。恐るべき攻撃方法を秘めている・・・・そんな予感がひしひしと。
それを防ぎしのぐ盾役。ミステリーなど解いているロマンな余裕はない。
 
 
実際、使徒使いがどうにかせねばならぬだろう。八号機も黒幕を探す努力はするが。
 
 
霧島マナから挨拶などはない。建前上は、偶然の共闘状態になってしまった、なのだから。
 
 
だが・・・・・・
 
 
おそらく使徒使いの本拠地、マナリアンキャンプから飛んできただろう霧島マナは、七遺産合体のトンデモ巨像など目もくれず・・・まあ、それは鈴原トウジたちも理解できたことだが・・・・操っているはずのVS使徒をその飛行能力を生かして捜すわけでもなく、
 
 
なんと都市部地上に降りたかと思うと、箒から降りて、そのままシェルター口から地下に降りていった。
 
 
「はあ!?」
 
幕末に徳川慶喜においてけぼりにされた幕府軍もこんな叫びをあげただろうか。
ちょっと維新すぎるその行動に、さすがに首が三回転ほどスピンしそうになる参号機。
 
いやいや、そりゃ綾波オオクボも西郷シンジもおらんけど、そりゃあなかろう!
って誰やねん。西郷シンジと綾波オオクボ。
 
何か意図があるのだろう、と問いただしてやりたいが、建前は建前だ。
 
味方でも仲間でもない。
 
ネルフはネルフ、使徒使いは使徒使い。臆病風に吹かれて隠れることにしたのだとしても、それは勝手のこと。信じるも疑うも、切ってしまうのも、それも自由。
 
 
迫り来る、遺産合体巨像の相手をせねばならないのが、自分たちである、というのは揺るぎもない確定事項であるが。
 
 
あと、あまり聞きたくも知りたくもなかったが、発令所が教えてくれるところによると、遺産合体巨像は、ゆっくりとさらに合体、というか融合を進めており、最終的にはドロドロに溶けてわけのわからん物体になる可能性が高い、ということだった。各国の観光の目玉が消える、ということにとどまらない・・・・大規模でありながら非常にデリケートな・・・人の世の問題はいつもそうなのかもしれないが・・・・歴史事件になりかねない。
 
 
一万年、百万年も経れば、笑い話にもならないささやかな泡がはじけただけのことかもしれなくても。せめて、この時代の人間らしく。当代の決戦兵器の乗り手たちは。
 
 
さんざんな目にあいながらも、その相手を務めた。
 
 
主役でもないのに、と自覚しながら。
 
 

 
 
ヒロイン登場でござい、と。
 
口上を述べるわけにも、見栄をきるわけにもいかない。
 
 
霧島マナは闇の坂を駆け下りていく。浮きすぎると頭をぶつける恐れがあるので箒の推進力は抑えてある。それでも人間離れした速度はあの男神を追いかけた女神のしもべのよう。
 
ヒーロー助けて、と。
 
頼むでもなく。てめえで戦うは時間。ひたすら急ぐ。同じ地の底頃合いの場所にヒーローはいるのだけれど、動かないだろう。動かないでしょう。そのように決めたなら。
信じたなら。
 
 
勘違いをしていた自分のもとに天使が舞い降りた。こっぴどくやられたのは自然の道理。
 
いやでも、ノーヒントだなんて難度高すぎる。それでも他の人に聞いたならヒントがもらえることもある。この世は、教訓に満ちている、と赤ヒゲ先生も言っていた。
 
 
この試練はあくまで、自分のもの。使徒使いとしての、霧島マナの、試練。
 
 
その一点に専心すべきだったのだ。完全に目も心も曇りに曇っていた。そして、使徒使いとして人の世界にどのように位置どるか・・・・・はたまた子として霧島ハムテルのつとめを引き継ぐか・・・・それに値するか。ニフツリー、なんて彼は言っていたけれど父親に聞けばすぐに分かった。その意味が。
 
 
それはもう、大使徒となれば、なんでもお見通しだろう。恐れもし畏れもする。
 
 
そんな巨大存在を・・・・・・・・・・・・おのれの使いにしようなどと。
 
 
「大使徒使い」・・・・・・・・・・・・完全に自滅するしかなさそうなゴーマン。
 
 
そんなものになろうなどと、考えることさえ。けれど、試練というものは。
 
 
大使徒の使わした使徒であるから、己の目にとまらず、己の懐に入らない、と恐れた時点でもはや、答案用紙に名前をかかぬどころか、試験会場の席につくことさえしなかった。
 
 
今回、ジブエリルが急遽途中に使わされたのは、そういうことだろう。ヒント、啓示、導き、なんでもいいが、使徒使いの感受性に閃く答えにそれ以外にない。
それが違っていれば、ジブエリルは顕現するだろうし、正解であればもはや。
 
 
己の器が割れようと・・・・・・・試練の意味が分かったのなら、始めよう。
 
 
そのやり方も、悟りに近く理解している。ころよい手本がここにあるのだし。
 
 
だが、自分の愚かな勘違いのために、友人達がボコボコにされるのは間違っている。
 
 
エヴァは勝てないだろう。エヴァの助力を完全排除すべく、完全排除するようなエネミーを造り出してきた。ネーメジス、とかいうらしい。議定心臓を持たず使命をもたず騒乱のみをもたらす存在。縛りがない分だけ、使徒使いの眼力も効かず・・・・しかも強い。
 
 
御大だけあってジブエリルは、人間の、社会抹殺・世間必殺、エヴァ攻略の方法をよーく承知しているし、ついでに自分への試しも行うつもりなのかもしれないが、所詮は人知を越えた相手だ。存分に照覧あれ、というしかない。中途な読みなどそれこそ。
 
 
 
闇の坂を抜けると、雪の国だった。
 
 
その最奥に、”証”がある。
 
 
それを
 
 
与えられたのは、彼で。
育ててきたのは、父で。
 
 
男二人のものを、自分が手にして、使う。ぞくり、としたのは寒さのゆえではない。
なんというか、いわゆるひとつのゼノビア気分というか。尽くすタイプの反対というか。
 
 
やばい。こんな状況なのに楽しくなってきた。