スーパーロボット七つ目大戦α
 
 
<ギガンティック・ドライブルート>
 
 

 
 
いきなりではあるが、いつものフレーズとともに今回は、作品紹介から始まる。
 
 
なんせ、おまけですから
 
 
と、いうこともあるが、今回の新規参戦分が「アニメ」からではないので真面目な人が下手に元ネタを探して見つかりっこない時間の無駄を省くためである。なんせおまけであるので、本編と違いなかなかリーダーフレンドリーなのである。で、自画自賛はよいとして
 
 
「これからもスパロボに参戦しないであろう第二弾!!」
 
 
として登場するのは、デモンベインに続く、PS2ゲーム「ギガンティック・ドライブ」エニックス(発売当時)作のロボット操縦戦闘シュミレーションゲームである。ジャンルは今、石龍が勝手にでっちあげたもので、正式になんというか知らない。パッケージにも書いてないので多分そんな感じでいいのであろう。とにかく要は、巨大ロボットを操縦して宇宙からやってきた巨大ロボと戦うゲームである。そうなると今度は、スパロボとどこか違うのか、という話にもなるのだが。ゲーム内主人公が用いる、ロボット操縦コントローラーは、プレーヤーの、すなわちPS2のデュアルショックコントローラーが「同じ」である、という点が違う。つまり、プレーヤーがヘボければどんなに根性があろうがピンチにおいこまれようと新兵器を内蔵しようが負けるのだ。もっと極端にいえばロボットもの皮をかぶった格闘ゲームなのである。それに「重量感」のあるロボットの操縦感覚が加味されているわけだ。操縦というよりは、自分自身が巨大ロボットになって街を闊歩する感覚で、慣れると非常に気分がよろしい。襲い来る宇宙人・ヴォルガーラなんぞほっといてこのまま日本中を旅していきたい・・・奈良までいって大仏にケンカを売ってみたり、ランドマークタワーとスクラムを組んでみたりすると最高だろう・・・・そんな気持ちにさせられるが、そうもいかない。ちなみに、愛するべき守るべき千丈市の建造物はその気になれば全部、「破壊」できる。その分の借金を負う覚悟さえあれば。であるが。
格闘ゲーム、とはいったが、戦うと言うよりタイトルどおりに鉄の巨人の歩行感覚を味わうのがこのゲームの一番の楽しみ方なのではないかなー、などと思う。
もちろん、巨大侵略宇宙人をぶん殴ってビルを潰しながらぶっ倒す感じも大いに素敵である。操縦に慣れるまでは「このウドの大木が!!なにしとんじゃい!ぼけー」の連呼であり、初戦闘で宇宙人に情け容赦なくタコ殴りにされて破壊されてしまうと、ヒーローになれない自分自身が切ないのだが・・・だけれど、そのもどかしさもいとおしい。
 
 
メガトンパーンチ!
 
・・・・・こんな単語にぴーん!とくる方にはおすすめ。
 
 
 
主人公のコントローラーとプレイヤーのコントローラーが繋がっている・・・・この設定がキモであるので、まあこれからもスパロボ参戦はあるまい。スクウェアエニックスだし。
 
 
さて、続いて作品世界の紹介といきましょう。
 
 
宇宙にはネクタル放射線というものが漂っており、あらゆる生命体はこれを浴びると例外なく死んでしまうという超有害な放射線である。あらゆる金属を貫通してしまうこれがある以上生物の宇宙進出は不可能とされた・・・・。有機生命体は大気に守られた惑星上でのみ生存が可能なのだ。ネクタル放射線によって閉ざされた宇宙・・・人類はそれを、
 
「ネクタルの障壁」と呼んだ・・・。
 
人類は宇宙に進出することはなく、異星生命体が地球へやってくることはない。
人類は孤独な存在である・・・・・そのはずだった・・・・
しかし、ある日、全身がレプトン・カーボナイト合金で構成され、ファントムアウトなる瞬間移動すら使いこなす巨大宇宙人「ヴォルガーラ」が襲来してくる。手始めにローマをぶち壊すヴォルガーラ。瞬間移動で砲撃のたぐいは一切命中しない。これに対抗する手段は・・・・「接近しての打撃戦しかない!!」。瞬間移動は高熱に反応するのだ。冷凍ビームではいかんのか、という話もあろうが、ヴォルガーラも涼みにきたわけではないので、それなりの逃げ足もないと踏みつぶされて蹴飛ばされて終わりである。・・・・そういうわけで、ヴォルガーラの脅威に対抗すべく秘密裏に開発されていた「機人」のみ!ちなみに「きじん」と読む!。莫大な開発費に耐えかねた製作のツキオカ・インダストリーを没落の憂き目にあわせたというとてつもない誕生秘話をもっていたりする。次世代エネルギー機関・アルケミック・ドライブを搭載する体長40メートルの巨人・・・古の伝説の塔になぞらえて、その名を「ヴァヴェル」という・・・。ロボットの生まれはいろいろあろうが、開発元を潰したなどという怪エピソードを持つのは彼くらいなものだろう。ちなみに、没落したツキオカ・インダストリーは「文明保全財団」と名を変えて、千丈の地下でひそひそと機人の開発を続けていた。説明書にも書いてあるのでばらしておくと、全くこりてないのか「ヴァヴェル」のみならず、ケルビム級制空権防衛型兵器「ライオール」とスローンズ級上陸制圧型兵器「グラング」まで製造していたのである!。人類を三千年生き延びさせるという直接的な目的を持つ「三千年委員会」のバックがあるにしても、すさまじい資金収集能力であるが、これはヴォルガーラとの本格戦闘が始まったのちも遺憾なく発揮されることになる。
 
 
そして、主人公は没落したツキオカ・インダストリーの跡取り・・・・・
現・文明保全財団の「理事長」・・・・月岡直人、月岡涼、月岡結衣、の千丈高校2年生の三兄弟である。ほんとはこの三人の中からプレイヤーを選ぶようになるのだが、ここではどうせ戦えないので、三人とも名前だけは出しておく。ヴァヴェルが直人、ライオールが涼、グラングが結衣、という分担で。ビジュアルからすると三人ともそういうわけで主人系であり、いかにも”黄色の力持ち”が乗りそうなグラングが似合わない感じなのだが、どうせ「戦えない」ので、 そういうことにしておく。なんで同ない歳で女の子を含めて三兄弟なんだ、というつっこみはそういうわけで却下する。 そういうわけで、グラングは戦隊モノの影響でピングが好きな結衣のせいで「ピンク」に塗られていることにする。
どうせ出てこないキャラクターのことを書くのは頁の無駄のような気もするが、直人には名門軍需産業のお嬢様の許嫁がいたのだが(しかも金髪)、家が没落したので御破算になってしまた、というこれまたロボットものとは思えない過去をしょってたりする。さらには、両親をヴォルガーラの襲来で失い、一人で暮らしをたてていかねばならない幼なじみが健気にがんばっているバイト先をロボットで戦闘中、狙ったかのように踏んづけて破壊してしまったり・・・シャレになっていない現在進行形の運命を駆け抜けたり。
 
 
まさに、ぎがんてぃっく!!
 
 
そのかわいそうな幼なじみと暮らすとかいう選択肢はない。ひたすらバイト先を潰さないように注意して戦うだけである。が、ヴォルガーラもそのへん分かっているのかいないのか、まるで事前調査したかのように、そこを真っ先に狙うのである!。このゲームの奥の深さが分かってもらえるだろうか。パン屋とか八百屋とか健全なバイト先が軒並み潰れてしまえば、あとはあまり健全とは言えない、というか不健全なというか、駅前の夜の・・ということにはなってしまわないだろうか・・・心配である。
 
 
大戦に登場すると、このように背負っている運命が運命であるので、非常にあれなことになりそうなのであるが、彼らは残念なことに登場しない。代わりにヴァヴェルたちロボットたちが活躍する。
 
 
ヴォルガーラをとりあえず撃滅して千丈市の再建を行っていた彼らのもとへ「ティターンズ」がやってきて云うのである。「そのロボットよこせ」と。云うことはもうちっと立派で長いのだが要約するとこんなもんであり、ヒリュウ改の時と同じで、また同じように文明保全財団側に断られた。もちろん、腕ずくの戦闘となり、なんとかサイコガンダムを含んだその一団を撃退したものの、操縦者を狙うやり方のティターンズの攻撃に月岡三兄弟は大怪我を負ってしまう。一命はとりとめたものの、絶対安静、とてもじゃないが、現場を駆けてロボットを操縦などできたものではない、遠隔操縦という手もあろうがそれではとても実戦の役には立たない。ジャミングされて終わりであるし、ティターンズなどガンダム系はミノフスキー粒子などそれの専門家ぞろいときている。
「近いうちにまた来るからな!」そういい捨てていったが、その次に撃退する力は文明保全財団にはない。操縦者狙いの戦法のためにヴァヴェルたちにダメージはさほどないが、操縦されなければその巨大な力に意味はない。アルケミック・ドライブのパワーは折り紙つきであるが、やはり人の感覚が伝達されていなければ、でくのぼう以下。初戦でヴォルガーラにタコにされて破壊された石龍と同じである。
 
 
ヴァヴェルたち「機人」の操縦はそう簡単にできるものではない。
 
コントローラーこそ、PS2のそれと同じで開発担当ドイツ人科学者(声・小杉十郎太)のヘルマン・ウィルツがR2ボタンがどうの、とか言ってくれるが(ちなみにこの声で”理事長!”と呼びかけてくれるからこそ、ゲームに完全に感情移入できる!と思う)宇宙人と戦う現場でロボットを走って見上げて時にはその肩に乗りながら状況を判断して機人に戦闘支持を下すのである。やっている危険度からすればスパイダーマンだって目ではない。操縦者の身を守るパーソナルシールドなどいろいろ個人装備があるのだが、それをもってしても常人の度胸では足が竦んで戦闘支持どころではなかろう。財団の他の人間も「おまえやれ」と言われたら即座に断る。
それくらい機人の操縦は(ある意味簡単だが)難しいのだ。
勇気だけでは出来ないこともある、のである。親友の恋人を車に乗せてあの星に連れ去るくらいにむつかしい。
 
最低限、人並みはずれた度胸と運動神経、運動能力が要求される。
最高、人並みはずれた度胸と運動神経、運動能力が要求される。
 
あとは、ティターンズのいう大義とはまた違う正義の心をもつことか・・・・
 
 
 
 
・・・・で、ようやく本題の話に入るのだが。
 
 
文明保全財団の所有する巨大ロボ「ヴァヴェル」は、上記のような都合で、非常に葛城ミサトの要求にマッチしている。まさに「世界にひとつしかないロボ」!
その名といい、位階・クラスレベルが天使名であるところといい、なんか非常に。
ティターンズに同じく恨みを買っているあたり、運命神の采配すら感じる。
 
 
人並みはずれた度胸と運動神経、運動能力は、飛んで弾んでマギュアと戦う肉弾戦のフィギュア組の得意とするところである。操縦方法が某ゲーム機のコントローラーと酷似しているなら、小学生でもいける!いやさ小学生の方が得意!!だろう。
 
 
しかも、機体に損傷はほとんどなく、なのに元来のパイロットは動けないときている。
レンタルには非常に好条件だ。向こうもこの状況で寝かしておく気はないだろう。
ちょうど数も合っているし。もはやこれしか!!
 
 
大急ぎでレンタル契約にかかる紫東遥と城田氏。このコンタクトには文明保全財団もかなり驚いたようだが、同じティターンズに脅された共感と連帯感をもとに、契約はすぐに成立した。条件としては、近いうちに千丈市に再びやってくるであろうティターンズの一団をコテンパンに叩きのめすこと。月岡三兄弟がやられて相当にトサカにきているようだ。
 
 
もちろん、ドロン・ベルとして否やのあろうはずもない。
本家ロンド・ベルと違い、こういう点、面倒なことにとらわれずに動ける。
 
 
紫東遙、城田氏の二人から契約成立の報告を受け、条件を聞き、薄く笑って葛城ミサトの言ったセリフがこうだ。
 
 
「・・・やらいでか」