スーパーロボット七つ目大戦α
 
 
<白い竜とワルツをルート>
 
 

 
 
吹きすさぶ激しい光の嵐の中、己の影が消えてゆくのを寂しげに見届けるアルフィミィ
 
 
やるべきことはやりおえて、わすれものはなにもない
ここからは、またひとりになり、ひとりでいかないといけない
 
 
もう、ここにはいられない。消えていかねばならない。もう、かえらないといけない。
五感は剥奪され、ベルゼイン・リヒカイトの存在すら、もう感じ取れない・・・・・
 
 
影の最後のかけらがきえたなら
それがおわかれのとき。あの、だいすきなだいすきな、まじんがーのかぞく。
そして、しんじさん・・・・・・
 
 
意識が切り離され、星の世界に遊離する。やってきたところへ、またもどるだけのこと。
ふわり・・・浮遊感がきた。からだのなかに光がつめられて、だからふわりとするだろう。
光は全てをかき消してしまう・・・・・その小さなからだにあった全てを。
 
 
浮いてゆく
泡のように
浮いてゆく
 
 
 

 
 
「こうなったら特訓していたあの技・・・”合体マップ兵器”を使うしかないぞ!いくぞみんな!!」
 
 
グレンダイザーから長兄デューク・フリードが一家に号令をかける。確かに、アルフィミィを救うにはそれしかなかった。距離があるうえに数の違いがある。まともに戦う気はなくベルゼイン・リヒカイトを破壊したら即座に離脱する体勢であるのは宇宙戦闘も慣れている彼らには容易に判断がついた。どういういきさつでアルフィミィがアクシズの連中に襲撃されたのかは分からないが、そんなことは助けた後で聞けばいいことだ。どうせアクシズの連中が悪いに決まっているが。この状況で政治がどうこういう星の王子ではない。
殺る気満々である。限界MAXである。誰も逆らう者もいないが、逆らえる者もいない。
 
 
「それしかねえだろうな!!よし!!覚悟を決めたぜ」
実際に機体に乗って試したわけではない幻の必殺技を末妹の命かかったこのドタンバギリギリの条件下で成功させねばならないのだ。兜甲児は腹をくくった。久方ぶりの小便ちびりそうになる大バクチである。ここ最近の大戦ラスボスとの戦闘でもここまでの緊張は覚えなかった。なんせマジンカイザー以上の大出力攻撃だ・・・・その制御の困難さは・・・・失敗して味方の雷を喰らって黒こげになりました、ではあまりにも救われない。
 
 
「やるしかない・・・・いいな、シンジ」
やることはサンダーブレイクであり普段の攻撃とあまり変わりない剣鉄也はその分、次兄として末弟に気を配る・・・・・というか、このドスの利きすぎた声はほぼ脅迫である。
異論など唱えようものならマンジガーブレードで斬首されそうである。
 
 
「でも初めてなんですよ!それに雷の種類が足りないと・・・・サンダーブレンドが狂ってきますよ!!大丈夫なんですか!!」
やるやるといいながら兄貴たちはどうも勢いだけで、肝心なことを忘れている。気がする。デューク、剣鉄也、兜甲児、戦闘態勢にあるこの三人相手にようも言うたり、といったところの碇シンジ。
 
だがしかし、ここで無責任に黙ってなんかいられない。ここで黙ってアルフィミィも助からない、兜甲児黒こげ、他の機体も暴走した雷にコナゴナ、などと目もあてられない。
既にフォーメーションをとるために分散移動に入っているグレンダイザー、グレート、マジンガー、そして一体足りぬままに、突然のことで移動力の補完が結局なされぬままに、エヴァ初号機。指揮誘導してくれる旗艦はなく、自分たちのカンだけで、相手の最終位置を完全に捕捉して技の発動に備えねばならない・・・・・この状況で悠長に特訓時のデータなどが生きてくるわけがない。ムチャクチャである。それに、ひとつ絶対の矛盾がある。
アルフィミィを助けるためのこの広範囲マップ兵器先手攻撃であるが、アルフィミィがいなければ、その技は・・・・・・おそらく使用は・・・・
 
「ほんとうに、いけるんですか!!」
碇シンジの懸命の叫びに答えたのは、次兄ではなく、やはり長兄だった。このガチガチの修羅場において、その声は落ち着き払い、優しささえあった。これが風格、というものか。
これが次兄以下であったら、やはりもうちょっと身も蓋もないことを言うだろう。
 
 
「実戦で大切なのは、生き残ることだ・・・シンジ君。それだけを念じて、集中して、アルフィミィを必ず、助けると、この技に集中するんだ。・・・その想いは必ず、彼女に届く・・・そして、敵を撃破する」
 
 
「俺たちはいつもそうやって勝ってきた。シンジ、お前にもできるはずだ」
「必殺技ってのはただ機能が、破壊力が優れてるだけじゃねえ、ここ一番に必ず成功するから必殺技ってんだ!・・・・すまねえシンジ、お前にそいつを教え忘れてたぜ!!」
 
長兄がそれなりのことを云ってくれたから、自分たちもそれなりのことを云う次兄と三兄。
男兄弟なんてものはそんなものだ。締める役が締めときさえすれば、まとまるのだ。
 
 
「は・・・・はい!!いきます!!やります!!」
 
兄貴分たちがそこまでいうからには、不安や不信など吹き飛んだ。もう迷いはない。
この技は絶対に成功する。そんな都合のいいことをなんで機械や悪党にできようか。
鋼の魂をもったスーパーロボット乗りにしか、そんなことは不可能!!
いまはまだその境地になくても、いつの日かそこに辿り着きたい、追いつきたい!。
エヴァ初号機が、顎部拘束を解除して吼える。その願いがシンクロ率を跳ねあげる!
高速で獣のごとく駆ける機体が、さらに体勢を低くし・・・・力を貯め込んでいき
 
 
びょんっ
 
 
矢のように、飛んだ。ジャンプ一つで山一つ飛び越えた。かつて、このような運用をなした機体はなかった。いまさらながら末弟の怪物ぶりに驚かされる。だが、彼らが悪の軍団に対して今までなしてきたことも似たようなものだった。追いつめられて強くなる。
「へへへへ・・・・こうでなくちゃあな」兜甲児がニヤリと笑う。
 
 
「シンジの奴でこうなんだ。アルフィミィ・・・もうひとがんばりしてくれるだろ?」
 
さやかさんたちも補給修理にすぐ現場に詰められるようにしている。どれほどこの技一発でエネルギーを喰うか・・・・ほとんど動けなくなるだろう。その呼吸だって重要だ。
まさに、マジンガー一家の浮沈、ここにあり、ってところだ。一番ヤバイのは、まあ・・・・オレだろうけど。ちなみに、いうまでもないが、ここで精神コマンドも使いまくりだ。
 
 
魔神と福音の怪物によって風雲は急を告げる。時ならぬ雷雲がもくもくもくと天を閉ざしていく。たっぷりと蓄えられた、来臨を今か今かと待ちわびる幾千幾万の雷流のせいでかえって空は奇妙な明るさを帯びて・・・。
 
 
ぽっかりと、ベルゼイン・リヒカイトを照らす。おうおうと嵐のように。
 
 

 
 
そのからだが、ふいに
 
 
止まった。
 
 
ふりかえると、
 
 
わずかに残った影を踏むようにして
 
 
”それ”がやってきていた。
 
 
「・・・・・どうして・・・・・」アルフィミィは瞠目する。
 
 
それは、人にしかくるはずもないもの。
 
自分の目にはうつるはずのないもの。
 
自分の元へはくるはずのないもの。
 
人の末期に白い犬の姿をとってあらわれる。
 
 
まもり まもられ いつくしみ  ワルツの終わりを教える、それは小さな拍手のように
 
 
「きてくれるんですの・・・・・・・・」
 
 
白い竜が、やってきていた。
 
 
竜の姿をとってはいるが、それは・・・・・・
 
 
白い竜は、おかしなことに人の声で、よく知っている者たちの声で、咆吼した。
さすがに竜だけあって、犬とは違うことを教えた。舞踏せよ、と。踊り始めよ、と。
 
 
まもり まもられ こたえよと
 
 
アルフィミィの目から涙があふれだす。潤んでゆがんだ視界が白い竜の正体を教える。
光にかき消された口から嗚咽がこぼれる。あーん、あーん、とまるでマンガみたいなべそかきであったが、その効果はてきめん。アルフィミィを安心させるようにやさしげだった目がにわかに凶悪になり角も四肢も大きく広げて白い竜はさらにさらに何十倍にも巨大化して、天に向かって光速で激翔する!!。なにをすればいいのか、どうすればいいのか、たとえ目を光にふさがれていようと完全に分かっている。さんざん特訓しましたもの!
 
 
兄たちの機体がいま、どこに位置しているか。1人だけ足が遅かった碇シンジのエヴァ初号機が必死に飛び跳ねてどこに位置したか。どれだけ必死に距離を稼いだか。アクシズのモビルスーツを一機たりとて残さず捕らえられる絶妙の送電面発生位置までの到達確定。
 
 
そして、兄弟機から送られる膨大な雷エネルギーを受け容れて最強の一撃を放つべく大地に屹立する鉄の城・・・・・・
 
 
んっ・・・・・歯を食いしばってベルゼイン・リヒカイトとの切断された限界の果ての連動感覚を再生させる。さほどには動けない。黄泉八雷召喚部分だけを強制で呼び出す。この期に及んで、あの方たちは自分を待って仕掛けるつもり。特訓をした”あの技”をこの場面で絶対に使うつもり。ベルゼイン・リヒカイトの八雷による調整がなければあんな無茶はできないのを兄様方は分かっているんですの・・・・・・・
 
 
全天を呑み込もうと、白い竜が昇ってゆく。アルフィミィにはそれがひどくゆっくりに、優雅に舞うほどに感じられて。八雷の術式は完成し、ベルゼイン・リヒカイトから解き放たれて、兄たちの雷に追いついて・・・・「おまたせしましたの・・・・」一緒になる。
 
 
そこには、通常攻撃とは異なる「マップ兵器」・・・それも掟破りに効果範囲の広い・・・・の距離無関係接敵無用の先手必勝無敵攻撃に立ち竦むしかないアクシズのモビルスーツ一軍が。「戦艦でもないのに、マップ兵器だと!?そんなバカな」ロックオン警報にたまげて叫ぶマシュマー・セロ。だが、反転散開を命じるには遅い。マップ兵器の恐ろしさはまことにその一点にある。ルール無用の反撃不可で先制権まで奪われた日には。じゃんけんでは後出しが勝つが、攻撃は先出しが勝つに決まっているのである。
 
 
さあ、白い竜が踊り出す
 
 
無理 無茶 無謀の三拍子、大口あけてのみこんで
信頼 信用 あてにして やってくれるとおおまかせ
一発 一丁 決めるしか ここぞとばかり こればかり  
 
 
まだまだ踊りはつづくなら。ワルツをお願いいたします。  
 
 
白い竜の咆吼、それは・・・・・・・それは、熱せられた鋼の魂。
 
 
声をそろえて、いまこそ叫ぼう。合体マップ兵器の名を。もちろんマジンガー一家全員で。
 
 
「サンダーダイナミックバンプレガイナ〜雷車輪ロケットパーンチ!!!!」
 
 
<熱血かけスペースサンダー・かなり改造・気力最高値>+<熱血かけサンダーブレイク・改造しまくり・気力限界値>+<ATサンダー(仮称)・無改造ただしシンクロ率大幅アップ状態・気力もちろんギリギリ>+<黄泉八雷(仮称)・無改造・気力108>・・・・・幸福かけ祝福かけ・敵に脱力2かけ・・・・・・・・これで終わりなのではない、これが始まりなのだ・・・これを元にした熱血必中かけ雷車輪ロケットパンチの攻撃力がどこまでいくのか・・・・・はっきりいってインフレである。ちなみに、あまりの激務酷使にザク�靴魎咾�破壊しきったロケットパンチが溶解してしまい指三本しか残らなかったというのだから・・・・。
 
・・・・これで生きてられるのは大戦のラスボスくらいなものであろう。
 
 
かなり重傷であるのについ大口あけて叫んでしまったアルフィミィもちょっとやばかった。ぷち。頭のどこかでそんな音がして、意識が途絶えた。